突発性難聴に対する音響療法①

2016.03.08

3月3日の「耳の日」にちなみ、今回から2回に分けて「突発性難聴」について紹介
します。

 

ある日突然、片耳が聞こえなくなる病気

 突発性難聴を発症する原因は不明で、内耳の循環障害もしくはウイルス感染等が
考えられています。国内では現在、ステロイドを使用した治療が一般的に行われて
います。発症後はなるべく早期の治療が望ましいですが、2週間以内に治療しても
元通りの聞こえに改善する割合は残念ながらさほど高くありません。1/3が元に戻っ
て「治癒」しますが、1/3が少し良くなる「改善」、1/3は全く良くならない「不変」です。
関西では10万人あたり年間40人程度がこの病気で病院を受診しています。

 

ステロイド治療の効果は?

 国内で広く行われているステロイド治療ですが、国外においては必ずしも標準的な
治療方法ではありません。ステロイドを含む薬物治療を行った場合と、実際には効果
のない偽薬を用いて治療を行った場合との効果を比較すると、突発性難聴の治り方
には差がないとする海外の論文もあるほどです。専門家の間でもステロイドに治療効
果があるかどうかについては、意見は分かれています。

 

次回は、突発性難聴の新しい治療法である「音響療法」についてお伝えする予定です。

 

耳鼻咽喉科・頭頸部外科について

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