- 関西ろうさい病院(兵庫県尼崎市)地域医療支援病院・がん診療連携拠点病院 - https://www.kansaih.johas.go.jp -
心臓病 Q&A
入院中や外来で患者の皆さんからよくいただく質問に心臓血管センターの医師、看護師、リハビリテーションのセラピストがお答えしています。
検診の結果(採血データー、心電図など)を持って、まずかかりつけ医に御相談ください。かかりつけがなければ、最寄の内科の開業の先生を受診してください。相談に乗ってくださり、必要に応じて専門の病院を紹介してくだいます。いきなり大きな病院を受診するよりも効率的です。
日頃から、すぐに診てもらえるかかりつけ医をもつことをお勧めします。必要なら、かかりつけ医から循環器内科を紹介していただけます。30分以上持続するような激しい痛み、あるいは、ニトロペン(舌下錠)を3回以上使用しても収まらない場合などは、この限りではありません。すぐ119番で救急車を呼んでください。
継続的に診察してもらうことで、気軽に自分の健康相談ができるばかりでなく、データーを日頃から一ヶ所に集中管理しておくことができ、検査や薬が二重になることを防ぎ、検査費用・医療費の節約等にもつながります。
必要に応じて、専門の病院や総合病院に紹介していただくことで、スムーズに治療が受けられます。また家庭での看護や介護が必要なとき、かかりつけ医が強力なサポーターになってくれるでしょう。
かかりつけ医は、以下の1~3の様々なサービスを行っています。
死んだ心筋は戻りません。 受けたダメージによって心臓のはたらきがかわってきますので、ひとによって今後の生活の注意点などが変わります。再び心筋梗塞を起こすことのないように予防すること(二次予防)が大切です。心筋梗塞を起こした後も定期的に受診しましょう。安定すればかかりつけ医の元で診療を続けていただきます。
心臓カテーテル検査後、1週間は剥がれない限りは貼ったままにしておき、1週間たてば剥がしてください。1週間以内に剥がれてしまった場合は、穿刺部より出血等など異常がなければ剥がしたままで結構です。穿刺部が腫れてきたり、出血がある時などは、病院に連絡をし、診察をうけてください。心臓検査当日・翌日はシャワー浴・入浴はできません。検査後2日目からシャワー浴可、検査後5日目から入浴が可能となります。穿刺部のテープは防水テープとなっており、シャワー浴・入浴の際には貼ったまま入って可能です。
ワーファリンは、血液を固まりにくくする薬です。薬の量は血液の固まりやすさが人によって違う為、定期的に検査をして量を決めます。決められた量を守って正しく飲みましょう。まれに効果が強く現れて、出血することがあります。そのような時は、直ちに医師に連絡しましょう。以下に気を付けましょう。
ワーファリンは血栓形成を予防しますが、その効果は血液凝固に必要なビタミンKの作用を抑えることにあります。そのためワーファリン服用中は、食事からビタミンKを多量に摂取しないように注意が必要です。
納豆・クロレラ・青汁は、ビタミンKが含まれており、食べるのを控える必要があります。
一方で、抗生物質や風邪薬・アスピリン等の痛み止めは、ワーファリンの作用を強めてしまいます。
他の病院で薬をもらう時は、ワーファリンを飲んでいることを医師や薬剤師に伝えてください。
ニトロペン・ミオコールスプレー・ニトログリセリン錠・ニトロール錠はいずれも硝酸薬と呼ばれる狭心症の発作を止める薬です。
効用は、
この作用によって心臓の筋肉へ送られる酸素が増し、心臓の筋肉の負担を抑えて、狭心症の発作の原因である心臓の筋肉の酸素不足を軽くします。
必ず全ての心臓発作に効くわけではありません。
まず安静にしてニトロペンを1錠舌の下に含みます。効果は1~2分で現れますが、5分ほどたっても効果が現れない時は、さらに1錠舌下しましょう。
1回の発作には3錠まで使用が可能です。30~60分以上の間をあけてなら、1日に何回使ってもかまいません。上記の方法を試しても症状が治まらない時は、病院に連絡して適切な処置を受けましょう。
*ニトロペンは舌下錠です。舌下錠は、口の中に含むことにより、粘膜から吸引され効果を現す薬で飲み込んでしまうと効果がありません。
上記の方法を試しても症状が治まらない時は、重い狭心症または心筋梗塞になっていることも考えられます。病院に連絡して適切な処置を受けましょう。
次に飲む時間まで時間がある時は、すぐに飲みましょう。その時間が次の飲む時間に近い場合や時間が来た場合は1回分を中止しましょう。2回分をまとめて飲むと、余分な薬で副作用が出てしまうことがあります。
あらかじめ、糖尿病の薬などは、かかりつけ医に相談しておいてください。
他の診療科や病院を受診するときは必ず、何の疾患で通院しているか伝えましょう。お薬手帳や調剤薬局でもらうお薬の表を持参し医師に提示しましょう。
心臓病といわれていますが、日常生活で心がけることは何ですか?
指示された薬は自己中断せず、きちんと服用しましょう。どうしても中断したいときには、医師に相談してください。
塩分、脂肪分控えめの食事内容にしましょう。食事量は腹八分目にしましょう。
起床時や就寝前には血圧を測りましょう。
決まったタイミングで毎日、体重を測りましょう。
医師の許可があれば、散歩程度から運動を始めましょう。
1日量をペットボトルやポットに入れておくことや、朝・昼・夕・寝る前にどれだけ飲むか決めたり、飲んだ量をメモしたりしましょう。
水分摂取量は食事の水分を含んでいません。
まず医師の許可を得てから飲むようにしましょう。節度のある適度な飲酒量を心掛けましょう。
~節度な飲酒量とは?~
エタノール換算(男性20~30ml・女性10~20ml)以下のいずれかの量が滴量です。
水分制限内で摂取しましょう。喉が渇く場合は、1回量を少なめで回数を増やして、こまめに摂取しましょう。水分摂取量がオーバーするときは、氷を代用しましょう。
気温が高いときは、空調などで適宜室温を調節することが大切です。利尿剤(尿の出るお薬)を服用されている方は、医師と良く相談してください。
コーヒーは飲んでもかまいません。ブラックでもかまいません。ただし、以前より量を控え、薄めにして飲みましょう。ただし不整脈のある方は、医師と相談してください。
朝は起床後1時間以内。(排泄後、食事、服薬前に)
夜は就寝前の安静時測定30分前からのカフェイン含有飲料、喫煙は避けましょう。(一時的に血圧が上昇する)食事、飲酒前の測定は避けましょう。(一時的に血圧が低下する)
血圧は時間によって変動するため同じ時間、同じ条件に測定しないと日々の変化がつかめません。自分の生活スタイルにあった、決まったタイミングで測りましょう。
一般に収縮期血圧130mmHg以下、拡張期血圧80mmHg未満といわれています。(年齢や基礎疾患によって、至適血圧は変わってきます)
体重は1日一回、決まった時間に測定する。(起床後、排尿後等) むくみを自分でチェックするには、むこうずね、つまり、すねの前面の内側(脛骨と腓骨が接近するところ)を指で押してみてください。指のあとがへこんで残るようなら、むくみです。
1キログラムの体重増加は、1リットルの体液増加を意味します。毎朝の食事前(トイレの後)に体重を測りましょう。息苦しさや、むくみはありませんか?
症状が安定していても1週間で2キログラム以上の体重増加があれば早めに対応が必要になります。
浴槽のお湯の温度には人それぞれ好みがありますが、安心して入れるお湯の温度は少しぬるめの38~40℃です。これくらいの温度であれば血圧はあまり上昇せず、血行促進効果が期待できます。42℃以上の熱いお湯は一時的に血圧を上昇させるため、熱いお風呂は避けましょう。
また、30分以上の長風呂は長距離走と同じくらいの体力を消耗させるほか、水分が失われて血圧が上昇したり、血液が濃くなることもあります。入浴時間は10~15分、浴槽につかっている時間は3~5分を目安に切り上げるようにしましょう。
入浴のタイミングは人それぞれですが、食後すぐに入浴すると胃に血液が集まっているために心臓に負担がかかりやすくなります。食後1時間以上休んでから入浴するようにしましょう。 また、飲酒後の入浴も危険なので控えるようにしましょう。
運動は、心疾患がある人にとっても大変有効な治療の一つですが、無理をせず担当医師に相談をしてから行ってください。
例)ウォーキング、自転車こぎ、ダンスなど
注意点としては、体調が悪い日はしない、食後2時間以上空けてから運動するといった点があります。胸痛や胸部圧迫感、背部痛、動悸、息切れなどが現れたときは中止して、続くようであれば病院を受診するようにしましょう。
まず、主治医への確認を行ってください。自動車の運転の運動強度は家での軽作業と同程度の運動量です。ただし、ラッシュ時や長時間の運転は精神的緊張や疲労を招きます。適宜休憩を取り、負担のかからない範囲で行いましょう。
心臓にとって負担になりやすい運動は、いきむことや、強い息切れを伴う運動です。また、極端に寒い、暑いといった気温も影響があります。屋内での家事や作業は問題ないといえますが、日常生活でも重いものを持つことや、炎天下での草むしりを長時間行うなどは危険といえます。
動作を立て続けに行い、心臓に大きな負担をかけ、発作の起こりやすい状態になることです。(食事・排便・入浴などの運動はひとつの動作だけでも心臓に負担をかけてしまいます。)
1つの動作(食事を取る、トイレに行く、お風呂に入る等)を行った後、30分休んで、その後次の動作をしましょう。
退院直後にはお勧めしていません。日常生活の中で胸痛や息切れなど自覚症状がなければ、主治医に相談の上、開始しましょう。いずれのスポーツも屋内や気温、強度、競技時間に注意し、レクリエーションとして楽しむとよいでしょう。
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[4] 日常生活について: #04
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