心房細動の概要 – 関西ろうさい病院(兵庫県尼崎市)地域医療支援病院・がん診療連携拠点病院
独立行政法人 労働者健康安全機構 関西ろうさい病院 心房細動

心房細動の概要

心房細動の概要

心房細動は心臓の動きが不規則になってしまう不整脈の一種で、日本国内では100万人以上の患者さんがいると推定されている頻度の高い病気です。動悸や息切れなどの不快な症状を引き起こすだけでなく、心不全や脳梗塞の原因となり健康寿命を大きく損ねる可能性のある病気です。
日本国内の心房細動患者数の推移(予測)

心房細動とは

心臓は胸の真ん中にある握りこぶしくらいの大きさの筋肉でできた袋のような臓器で、全身に血液を送るポンプの働きをしています。4つの部屋には右心房、左心房、右心室、左心室というふうに名前が付けられており、それぞれが適切なタイミングで収縮と拡張を繰り返しています。そして4つの部屋が適切なタイミングで動くように電気回路で結ばれていて、右心房にある洞結節から電気が心臓全体に流れて、それぞれの部屋が電気に反応して動くようになっています。
 
ここでのポイントは、心房と心室は大きく異なる役割を担っているということです。図にあるように心室は大きく分厚い筋肉をしています。これは肺や全身に血液を送り出すポンプの働きをしているためです。一方、心房は小さくて薄い筋肉でできています。実は心房はポンプとしての働きだけでなく、右心房の洞結節に代表されるように心臓の動くタイミング(心拍数)を調節する働きをしています。
 
心房細動になるとこの電気の流れが心房内で乱れてしまい、心房が震えるような状態になってしまいます(細かく動くことから細動といいます)。このため心房内で血液の流れが悪くなってしまい、血栓ができやすくなります。また下流の心室に届く電気の流れも乱れてしまい、心室の動きも不規則で早くなってしまいます。そのために脈の乱れや動悸などの症状も感じます。

 

正常時と心房細動時の心臓の動き
関西労災病院ではこの国民病である心房細動と戦うため、不整脈科を中心に循環器内科、脳神経外科、脳神経内科、麻酔科、そして看護師や臨床工学技士からなる専門チームが、それぞれの患者さんに最適な治療を提供できるよう取り組んでいます。
このホームページでは、心房細動について患者さんが知っておくべきことをできる限り詳しくまとめてあります。心房細動と診断されたみなさん、私たち関西労災病院が全力でサポートします。「心房細動がなかった時と同じような人生を送る」ことが治療の目標です。一緒に闘いましょう。
ページ先頭へ