心房細動

お薬を飲みながら付き合っていく病気から、カテーテルアブレーションで根治できる病気に変わりつつあります。

すべての心房細動患者さんには、まずアブレーション治療の可能性を検討します。

心房細動の持続期間が5年を超えている方やご高齢の方(85歳以上)、そして他の心臓病をお持ちの方は、別の治療をお勧めさせていただくことがあります。

発作性心房細動は、肺静脈隔離を行うだけで根治する症例が大半を占めます。当院では患者さんの身体的負担をできるだけ少なくするため、クライオバルーンを用いたアブレーションを行い、カテーテル挿入から抜去まで、およそ30-40分で終わります。

持続性心房細動(心房細動の状態で固定している)では、肺静脈隔離だけでは治らない場合があります。当院では、個々の患者さんの心房細動の発生源や持続に関わる部位を丁寧に調べて、最適なアブレーションを選択するようにしています。その際に心臓内の電気信号を詳細に調べ、異常部位を検出することができる最新の3次元マッピングシステム(CARTO3 version4/UNIVUやRhythmia)が威力を発揮します。施術時間は60分~90分です。

入院から退院までの流れ

心房細動に対するカテーテルアブレーション目的で入院された場合の検査、治療の流れを説明します。
入院期間は3泊4日です。入院してから手術までの間に、経食道心エコー図で心臓の中に血栓が形成されていないかの確認や、心臓模型や図を用いて手術説明を行います。

カテーテル手術担当医より、患者さん、ご家族の方へ治療の概要、起こり得る合併症などについて説明させていただきます。ご不明な点があればその都度聞いていただけます。

術前に経食道心エコー図にて心臓の中に血栓がないことを確認することにより、より安全な治療ができるよう心がけております。経食道心エコー図は、胃カメラのような検査で食道から心臓の内部を詳細に見ることができ、経胸壁心エコー図よりも血栓の検出力が高い検査です。

手術当日は点滴をとらせていただき、車いすにてアンギオ室に出棟します。

車いすから手術台に移動していただきます。手術時間は平均60分程度です。

術後はカテーテルを全て抜去し、止血を行いますが穿刺部の圧迫は翌日の朝まで続けていただくことが多いです。

術翌日の朝に穿刺部の圧迫は取り除き、歩行可能となります。心電図検査や病棟モニターで術後2日間は様子を見させていただいております。