当院では、日本の中でも早期から下肢閉塞性動脈硬化性疾患に対するカテーテル治療の重要性を認識し、積極的に取り組んできました。現在でも多くのカテーテル治療を行い、また遠方からも困難な病状の患者さんのご紹介をいただいております。
カテーテル治療では造影剤の代わりに炭酸ガスでの造影検査・治療も可能です。他院で、腎臓が悪く造影剤を使ったカテーテル治療が無理と言われている方も、治療可能なことが多くあります。
また足の傷に対する治療では、循環器内科医、形成外科医、看護師や理学療法士など治療に関わる多くの業種で治療チームを作っており、患者さんの生活スタイルや希望に合わせた治療ゴールを設定し、ともに歩む医療を実践しています。他院で治療は難しいと言われた患者さんでも、必ず納得いただけるチーム医療をご提供させていただきます。
坐骨神経ブロック
当院では痛みの緩和にも力を入れております。カテーテル治療では風船型のカテーテルで血管を広げる際に痛みを生じます。治療前に坐骨神経(正座したときにしびれる神経)ブロック注射を行い、特に膝より先の領域の痛みを麻痺させることで、痛みを和らげることができます。当院のデータでは、従来は治療中に62%の患者さんで痛みを感じていましたが、坐骨神経ブロックを行った場合に痛みを感じた患者さんは24%と少なく、痛みを大きく緩和できていました(図)。また、足に傷があり毎日の処置(傷を洗う、軟膏を塗る)に痛みが強い患者さんには持続的に坐骨神経ブロックを行えるようタコ糸ほどのチューブを入れて、入院中の痛みを軽減することができます。
“患者さんを自分の家族だと思って治療する”をモットーに、カテーテル治療による血行の改善だけでなく、治療中・入院中の痛みを和らげる、患者さんに優しい治療をこれからも突き詰めてまいります。