大動脈弁狭窄症とは?
大動脈弁狭窄症は、大動脈弁が石灰化等で開きが悪くなる病気
すぐに専門病院へ!
- 1.胸部不快感・胸痛(胸が苦しい、圧迫される、痛い)
- 弁狭窄により冠動脈(心臓を栄養する血管)への血流が低下し、狭心症と似た胸部症状が現れます。大動脈弁狭窄症による胸部症状が現れたら、平均生命予後は約5年といわれています。
- 2.失神・めまい(気が遠くなる、くらくらする)
- 弁狭窄により心拍出量(心臓のポンプ機能による血液の全身への送り出し)が低下することで血圧が下がり、失神・めまい(頭への血流低下)が発症します。大動脈弁狭窄症による失神が現れたら、平均生命予後は約3年といわれています。
- 3.心不全(動悸、息切れ、呼吸困難)
- 弁狭窄により左心室に負荷がかかり、この状態が持続すると、動悸、息切れ、呼吸困難等の心不全症状が現れます。大動脈弁狭窄症による心不全症状が現れたら、平均生命予後は約2年といわれています。
上記の症状がある方は、心臓の弁の開きが悪くなっているかもしれません。すぐに専門病院を受診してください。
Topics
なぜ今、大動脈弁狭窄症 が注目されているのですか?
歩いてしんどい(息が切れる)原因は年齢のせいと思っていませんか?
もしかしたらそれは大動脈弁狭窄症の症状かもしれませんよ!
TAVI (タビ)はご高齢の方に優しい、”切らずに治す手術”です。
大動脈弁狭窄症は、症状が出現して「手術」が必要になった場合、外科手術(胸を開き新しい弁に取り換える弁置換術)が中心でした。現在も外科手術は標準的な治療法ですが、患者さんとしては「胸を開けて心臓を手術する」と聞けば、大掛かりで命がけの手術であると感じるでしょう。外科手術の確実性と弁の耐久性から、「胸を開ける」という侵襲(負担)に耐えられる患者さんであれば外科手術を考えるべきです。しかしながら高齢の患者さんにおいては1) 心臓以外にも病気がある、2) 体力が衰えてきている、等の理由から胸を開ける手術の負担は若い方と比べて大きくなります。そのため、弁を取り換える手術は成功したが、長期の入院(最低でも2週間)で体力が衰えて寝たきりになってしまう危険性があり得るのです。よってご高齢の患者さんが多い大動脈弁狭窄症に対して手術負担が少なく(術後の回復が早く、体力が衰えにくい)、確実な治療が求められます。それを可能にしたのがTAVI (タビ)というカテーテルを用いた新しい治療です。TAVIは1) 胸を開けず(傷口を作らず)、2) 心臓も止めず、3) カテーテル(細い管)を併用して、患者さんの心臓に新しい人工弁を留置します。体の負担が極めて少ないため、入院期間が極めて短い(関西労災病院では約1週間)のも特徴です。
*関西労災病院でのTAVI手術後の患者さんは、術翌日点滴を押しながら自分の足で歩いて一般病棟に戻られます。その姿を見て、改めてTAVI治療は循環器内科カテーテル治療の歴史の中で 最も革命的な治療と考えていいでしょう。
関西労災病院のTAVI特徴は?
関西労災のTAVI (タビ)治療は、万全の状態で行います。ご安心ください。
循環器内科・心臓外科・麻酔科・臨床工学技士・放射線科技師・手術室看護師がハートチームを形成して術前カンファレンスで各患者さんの情報を共有して手術準備を進めます。関西労災病院では心臓外科と協力して循環器内科が中心となって施行しております。当院循環器内科は、カテーテル治療に特化した精鋭チームです。主には冠動脈 (年間カテーテル治療:約800件)、末梢血管(年間カテーテル治療:約900件)、大動脈瘤(年間ステントグラフト治療:約80件)を行っており、カテーテル治療総数は、兵庫県1位でありかつ全国10位以内の件数であります。これらの十分臨床経験の基に施行されるTAVI手技は、他院にはない安定感があり、仮に手術中に不測の事態が起こっても迅速に対応することができます。また当院は大阪大学 循環器内科・心臓外科とも連携しており、必要に応じて手術応援を行うことで最適かつ最良の治療を各々の患者さんに受けて頂けるように日々努めております。皆様安心して大動脈弁狭窄症については当院循環器内科、心臓外科にご相談ください。万全の体制での、安定感・安心感のあるTAVI治療を受けて頂けると確信しております。24時間365日、症状にお困りの方の受診をお待ちしております。