関西労災病院では、体への負担が少ない冠動脈の血流評価方法「定量的冠血流比(Quantitative flow ratio [QFR])」を導入しています。
定量的冠血流比(QFR)とは
冠動脈を広げる治療が必要かどうかを判断する際、見かけ上の血管の狭さだけでなく、血流がどのくらい低下しているかを調べることが重要となります。
現在、血流低下率を評価する方法として、「冠血流予備量比(FFR)」が最も幅広く使用されています。ただし、この血流評価方法は、血流を測定する特殊なワイヤーを冠動脈内に挿入し、血管を拡張させる薬を使用する必要があり、少なからず、痛みや合併症のリスクがあります。
そこで、より身体への負担を減らすための評価方法として開発されたのが、冠動脈解析ソフトウェアで測定する「定量的冠血流比(QFR)」という方法で、2 方向から撮影されたカテーテル検査の画像を組み合わせることで、コンピュータ上で冠動脈の 3 Dモデルを作成し、狭くなった部分の前後で、血流がどれだけ低下しているかを解析します。
QFRは、血流を測定するワイヤーを冠動脈内に挿入したり、血管を拡張させる薬を投与する必要がないため、患者さんへの負担が軽減されるだけでなく、解析時間が5分程度と短く、検査時間やコストも削減することができます。
解析にはライセンスが必要であり、関西労災病院では2025年2月現在7名の医師がこのライセンスを取得しています。
狭心症・心筋梗塞 について