左心耳閉鎖術に用いる新たな治療機器(WATCHMAN FLX™)導入のお知らせ – 関西ろうさい病院(兵庫県尼崎市)地域医療支援病院・がん診療連携拠点病院
独立行政法人 労働者健康安全機構 関西ろうさい病院循環器内科

左心耳閉鎖術に用いる新たな治療機器(WATCHMAN FLX™)導入のお知らせ

関西労災病院不整脈科では2021年夏より「左心耳閉鎖術」に用いる新たな治療機器(WATCHMAN FLX™)を導入しています。従来のものと比べて、より柔らかく安全に留置できるようになり、安全性が向上したものとなっています。

 

心臓の心房と呼ばれる部分が痙攣したように細かく震えて血液をうまく全身に送り出せなくなる「心房細動」は、長時間続くと心房内の血流がよどんで血栓ができやすくなります。血栓が脳の血管を詰まらせると、脳梗塞(心原性脳塞栓症)を起こしてしまいます。心房細動が原因でできる血栓の約9割が左心耳の中でできると言われており、心房細動によってできる血栓は大きなものが多いため、脳梗塞も重症になるケースが多いです。

心房細動の患者さんには、血液をサラサラにするお薬(抗凝固薬)を用いて血栓ができないようにする治療が主として行われていますが、出血のリスクが高いなどの理由によって、長期間の抗凝固薬の服用が困難な患者さんが一部にいらっしゃいます。

「左心耳閉鎖術」は、メスで胸を切り開くことなく、カテーテルという細い管を足の付け根から入れ、『WATCHMAN FLX』という治療器具を用いて左心耳を閉鎖することができるため、痛みが少なく入院期間も短い体に優しい治療法となります。脳梗塞リスクが高いにもかかわらず、出血性合併症などのために抗凝固薬を長期間服用できない心房細動患者さんがこの治療法の対象となります。

 

当院は2019年の国内導入時から施設認定を受けており、すでに実施した多くの症例で抗凝固療法の中止に成功しています。
これからも、患者さんの体への負担が少なく体に優しい治療法で、患者さんに優しく負担の小さな治療をお届けできるよう取り組んでまいります。お困りの患者さん心房細動と言われたけれど、血液サラサラの薬でお困りの方はぜひご相談ください。

WATCHMAN FLX


 

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