大動脈弁狭窄症に対するカテーテル手術(TAVR)を実施しました

2018.02.23

関西ろうさい病院は、超ハイリスクで重症の「大動脈弁狭窄症」の患者さんに対し、2018年2月21日、体への負担が少ないカテーテル手術 「経カテーテル的大動脈弁置換術:TAVRタバ(TAVIタビともいう)」を初めて実施いたしました。

大動脈弁狭窄症とは?

心臓の大動脈弁が動脈硬化などが原因で固くなると十分に開かなくなり、そこを通る血液の流れが悪くなってしまいます。この状態を『大動脈弁狭窄症』といいます。狭窄が進むと息切れや動悸がおこり、重症化すると失神や突然死に至ることもあります。

従来の手術と「TAVR」の違い

これまでの「大動脈弁狭窄症」の手術では、胸部を大きく切開し人工心肺装置を装着して心臓を一時的に止め、悪くなった弁を切除して人工弁に換えていました。しかし、この手術は体への負担が少なくなく、ご高齢や他のご病気をお持ちで体力の低下した患者さんでは手術のリスクが高くなるという問題がありました。 TAVRでは、足の付け根などからカテーテルを使って人工弁を装着できるようになり、胸部を大きく切開することも心臓を止めることもなくなり、体への負担を減らすことができるようになりました。

地域の患者さん・先生方へ

症状が高度狭窄でかつ症状を伴う場合には急速に悪化することがあるためできるだけ早期の手術を行う必要があります。ご高齢、低心機能、低肺機能、心臓手術の既往など通常の大動脈弁置換術ではきわめてリスクが高いと判断される方へは、本治療の方が望ましい場合もあります。しかし、現在、本治療は10年以上の成績が不明であるため、重症大動脈弁狭窄症に対する治療は、原則、従来通りの大動脈弁置換術であり、様々な理由で大動脈弁置換術のリスクが高いと判断された方のみTAVRを行うのが基本方針です。また、大動脈弁の形状により、TAVRができない場合もあります。 本治療をご希望される場合は、循環器内科または心臓血管外科のどちらかを紹介受診するようお願いいたします。 どちらを受診されても、最終的に当院のハートチームが治療させていただきます。
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