2020.06.08
みなさんが病院にかかって、血液検査の結果を見たときに「これはどういう意味かな?」と思われることがあると思います。そのような時にお役に立つように、それぞれの検査で何を調べているのかについて、「血液検査基準値」シリーズとして Ⅰ 貧血 Ⅱ 肝機能 Ⅲ 血中脂質・血糖 Ⅳ 腎臓・肝臓を4回にわたって掲載いたします。今回は貧血関連の基準値についてご紹介いたします。
項目名 | 基準値 | 検査の意味 |
WBC 白血球数 |
4.0~9.0×103/μL | 白血球は病原微生物や異物に対して身体を防衛する細胞です。炎症があると増加します。 |
RBC 赤血球数 |
M 4.3~5.7×106/μL F 3.8~5.4×106/μL |
赤血球は体の細胞に酸素を渡し、二酸化炭素を受け取って肺まで運んでいます。貧血や赤血球増加症を調べます。 |
Hb(血色素) ヘモグロビン濃度 |
M 12.5~17.5 g/dL F 11.5~15.0 g/dL |
赤血球に含まれ、酸素を運ぶ中心的役割を果たしています。 貧血や赤血球増加症を調べます。 |
Ht ヘマトクリット |
M 40~50 % F 35~45 % |
血液中に含まれる赤血球の割合(%)です。貧血や赤血球増加症を調べます。 |
MCV 平均赤血球容積 |
85~105 fL | 貧血の原因や種類を判断する場合の指標となります。 |
MCH 平均赤血球血色素量 |
26.0~34.0 pg | 貧血の原因や種類を判断する場合の指標となります。 |
MCHC 平均赤血球血色素濃度 |
29.0~36.9 % | 貧血の原因や種類を判断する場合の指標となります。 |
RDW 赤血球容積分布幅 |
11.5~14.5 |
個々の赤血球の大きさを変動係数(分布幅)で表しています。RDWが高値のときは赤血球の大小不同があります。 |
PTL 血小板数 |
150~350×103 /μL |
出血した時、血小板が集まって固まり、血液を止める働きをします。 |
PT(プロトロンビン時間) INR(国際標準化比) |
70%以上 1.00±0.17 |
PTは肝臓の状態に左右されます。(活性%に変換した値)。INRはワルファリンによる抗疑固療法のために統一された指標です。 |
Fe 血清鉄 |
M 70~200 μg/dL F 60~180 μg/dL |
ヘモグロビンの合成に使用されます。貧血性疾患の鑑別の指標となります。 |
TIBC 総鉄結合能 |
240~380 μg/dL | Feとともに貧血などの鑑別診断や鉄代謝の状態を反映します。 |
L(リットル)=1000cc dL(デシリットル)=10分の1リットル mL(ミリリットル)=1,000分の1リットル μL(マイクロリットル)=100万分の1リットル
g:グラム=1,000分の1キログラム mg(ミリグラム)=1,000分の1グラム μg(マイクログラム)=100万分の1グラム ng(ナノグラム)=10億分の1グラム pg(ピコグラム)=1兆分の1グラム
M: 成人男性 F:成人女性
次回は肝機能についてご紹介する予定です。