2021.11.22
前回は「がんと遺伝子 ~がん遺伝子パネル検査~①」として”遺伝子とがん”をご紹介しました。内容はこちら。
未来の医療「個別化医療」
私たちのからだがお互いに異なるのは、遺伝情報が異なるからです。この異なった遺伝情報を病気の予防や診断、治療に役立てる「個別化医療」が未来の医療です。私たちはまだ、個別化医療の入り口に入ったばかりですが、個別化医療は確実に進歩しています。まずは、大量の遺伝情報を短時間で調べることができるようになりました。血液や腫瘍の組織から遺伝子を取り出して調べますが、現在利用できる検査では数十から数百の遺伝子を検索することが可能です。次に、遺伝子異常に対する治 療薬剤の選択肢が確実に増えています。これらの遺伝子検査や治療は保険診療で可能となっています。しかし、良い面ばかりではありません。がんであっても遺伝子に異常な変化がみつからない場合、検査がうまくいかない場合、遺伝子の異常がみつかっても、薬剤が無い場合や治療の条件にうまくあてはまらない場合もあります。また、医学は常に発展途上にあり、いまだにわからないこともたくさんあります。このような事情から遺伝子を調べて治療ができるのは10人に1人となっています。
次回は2021年11月29日に「がんと遺伝子 ~がん遺伝子パネル検査~③」として”遺伝子治療の活用”をご紹介する予定です。