血液検査基準値Ⅲ 血中脂質・血糖

2020.06.29

本日は、4回シリーズでご紹介している「血液検査基準値」の3回目、「血中脂質・血糖」です。
(第1回「貧血」はこちら、第2回「肝機能」はこちら

血中脂質・血糖に関する検査項目については下の表にまとめています。ご自身の検査結果をご覧になるときの参考になさってください。

項目名 基準値 検査の意味

AMY

マミラーゼ

30~120 U/L 膵臓疾患の指標です。また、唾液腺(耳下線炎)疾患や種々の炎症、腹痛などでも上昇します。

HDL(高比重)

コレステロール

40~70 mg/dL 血管の内側に付着したコレストロールを肝臓に運びます。善玉コレステロールと呼ばれ、動脈硬化を予防します。

LDL(低比重)

コレステロール

70~139 mg/dL 動脈硬化の指標として用いられ、高コレステロール血症の鑑別や経過観察の指標としても大切です。

TG

中性脂肪(トリグリセライド)

40~149 mg/dL

動脈硬化と関係があります。過食やアルコールの飲み過ぎで高値になります。

TC

総コレステロール

120~219 mg/dL 血管やホルモンの材料になりますが高値が続くと、動脈硬化の原因となります。

BNP

脳性ナトリウム利尿ポリペプチド

19.5 pg/mL以下 利尿、降圧作用があるホルモンで、心臓負荷(心不全、心肥大など)があると増加します。

GLU(グルコース)

血糖

72~106 mg/dL エネルギー源で、食事を摂ると上昇します。糖尿病との関係が深い検査です。

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシ―)

グリコヘモグロビン

4.6~6.2%(NGSP値)

4.3~5.8%(JDS値)

過去1~2ヶ月間の血糖の平均値を示し、糖尿病の経過観察等に用いられます。2014年4月からNGSP値を使用します。

CPK(CK)

クレアチンホスホキナーゼ

13~187 U/L

心臓疾患の指標になります。激しい運動や持続する筋肉の緊張でも上昇します。

Zn

亜鉛

60~105 μg/dL

必須微量元素のひとつで、成長、味覚、創傷治癒、皮膚症状、性腺機能、栄養状態、ストレス等と関係します。

CRP

C反応性タンパク

0.3 mg/dL以下

炎症性疾患の経過や治療の効果を調べる検査です。炎症や、感染症があれば上昇します。

RF

リウマチ因子

15 lU/mL以下 リウマチなどで高値を示します。

FT3

フリーT3

2.30~4.00

pg/mL

甲状腺の機能を調べる検査です。

FT4

フリーT4

0.90~1.70 ng/dL 甲状腺機能売進症で上昇し、機能低下症で低下します。

TSH

甲状腺刺激ホルモン

0.54~4.54 μlU/mL

甲状腺を刺激してその機能を調整するホルモンです。

L(リットル)=1000cc dL(デシリットル)=10分の1リットル mL(ミリリットル)=1,000分の1リトル μL(マイクロリットル)=100万分の1リットル 

g:グラム=1,000分の1キログラム mg(ミリグラム)=1,000分の1グラム μg(マイクログラム)=100万分の1グラム ng(ナノグラム)=10億分の1グラム pg(ピコグラム)=1兆分の1グラム

M: 成人男性      F:成人女性   

 

次回は腎臓・肝臓についてご紹介する予定です。

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