その症状、脳梗塞の前兆かもしれません①

2021.05.17

一過性脳虚血発作(TIA)

脳梗塞は、脳の血管が詰まることで、いわば「兵糧攻め」のように栄養や酸素が行き渡らず、詰まった血管の先にある脳が死んでしまい、その領域の症状が出現する病気です。しかし、血管が詰まってもすぐに詰まりが解消されると、脳は死なずに症状も改善します。これが一過性脳虚血発作で、文字通り「一過性」に起こる脳の「発作」です。

一過性脳虚血発作では、症状は短ければ10分以内に一旦消失します。しかし侮ってはいけません。その後2日以内に脳梗塞になる割合は、低リスクで1.0%、中等度リスクで4.1%、高リスクで8.1%と報告されており、7日以内に広げると最大11.7%となっています。一過性脳虚血発作が脳梗塞の前兆といわれる所以です。そのため、症状がなくなったからと言って様子を見ず、すぐに医療機関を受診することが大切です。

次回2021年5月24日には「その症状、脳梗塞の前兆かもしれません②」で合言葉は「FAST」をご紹介する予定です。

 

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