関西ろうさい病院の院内教育研修プログラムについて
日本看護協会の「看護師のクリニカルラダー」をもとに、当機構では平成29年10月に「労災病院看護部キャリアラダー」を作成した。機構の使命である「勤労者看護」を実践能力の一つとして追加した。また、看護職員が継続的・段階的に成長できるよう「組織的役割遂行」と「自己教育・研究能力」の二つの能力を追加した。(図1参照)
当院でも、個人の成長を支援するために、多彩な研修プログラムを計画・提供しています。各自の課題や今後のキャリアの方向性に見合った研修を主体的に選択し、受講できるシステムを取っています。
院内研修 レベルⅠ(新人研修)
4月
研修項目 | 内容 | 講師 |
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看護技術演習 | | |
感染予防対策 | 手指衛生・防護用具の着脱・針刺し防止 | 感染管理認定看護師 |
安全対策 | 危険予知トレーニング(KYT) | 医療安全管理者 |
褥瘡予防① | ポジショニング | 皮膚排泄ケア認定看護師 |
おむつの装着 | 正しい装着方法 | 皮膚排泄ケア認定看護師 |
医療ガス | 医療ガスの取り扱い | 手術室看護認定看護師 |
第1回シャドー研修(日勤) | 日勤の実際を見学 | 先輩看護師 |
社会人基礎力 | 職業人の基礎として社会人基礎力を磨く | 看護学校教員 |
リアリティショックの回避 | 心理テストで自己分析 | 精神専門看護師 |
5月
研修項目 | 内容 | 講師 |
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看護技術演習 | | |
輸液ポンプ・シリンジポンプ | 器械の特性の理解、技術の習得 | 臨床工学技士 |
看護必要度 | 必要度の理解、正しい評価 | 教育委員 |
看護記録 | 看護記録の理解 | 教育委員 |
6月
研修項目 | 内容 | 講師 |
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看護技術演習 | | |
薬剤の知識と管理 | 基礎知識の理解、薬剤管理 | 薬剤部長 |
静脈注射 | 静脈注射の理解、輸液セットや速度の実施 | 教育委員 |
コミュニケーション① | 患者と接するコミュニケーションの基本 | 精神専門看護師 |
7月
研修項目 | 内容 | 講師 |
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看護技術演習 | | |
フィジカルアセスメント | 呼吸、循環、腹部、意識レベル | 集中ケア認定看護師 |
ストレス対処(睡眠) | 睡眠の方法 | 睡眠健康指導士 |
8月
研修項目 | 内容 | 講師 |
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感染管理① | 患者の療養環境の整備、ゾーニング | 感染管理認定看護師 |
がん看護 | がん看護の基礎 | がん看護専門看護師 |
9月
研修項目 | 内容 | 講師 |
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看護技術演習 | | |
輸血療法 | 血液製剤の手順、副作用 | 検査技師 |
輸液ポンプ・シリンジポンプ | 器械の特性の理解、技術の習得 | 臨床工学技士 |
10月
研修項目 | 内容 | 講師 |
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多重課題演習 | 優先順位を考えた行動 | 教育委員 |
感染管理② | 結核、季節性感染症 | 感染管理認定看護師 |
11月
研修項目 | 内容 | 講師 |
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看護倫理 | 倫理綱領、倫理的視点 | 慢性専門看護師 |
リフレッシュ研修 | 仲間づくり、働く意欲へつなげる | 教育委員 |
第2回シャドー研修(準夜) | 準夜勤の実際を見学 | 先輩看護師 |
褥瘡予防② | 褥瘡の診療報酬 | 皮膚排泄ケア認定看護師 |
12月
研修項目 | 内容 | 講師 |
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看護技術演習 | | |
嚥下のメカニズム | 嚥下の理解、食事介助方法 | 嚥下障害看護認定看護師 |
小論文の書き方 | 看護への思いを振り返る | 慢性専門看護師 |
1月
研修項目 | 内容 | 講師 |
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コミュニケーション② | 患者と接するコミュニケーションの基本 | 精神専門看護師 |
2月
研修項目 | 内容 | 講師 |
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看護技術演習 | | |
急変時の対応 | 急変に気付いて心肺蘇生 | 救急看護認定看護師 |
3月
研修項目 | 内容 | 講師 |
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まとめの会 | 1年間の成長を振り返る | 教育委員 |
院内研修
新人教育
レベルⅡ~Ⅴ ニーズをとらえる力・ケアする力
研修項目 | | 内容 |
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看護技術 | | 末梢循環留置針の取扱い 留置の実際 ポート穿刺 |
感染対策 | | 疾患別対策 アウトブレイク事例 |
クリティカルケア | 救急看護 災害看護 | 急変対応 ICLS/BLS 防災訓練 |
| 呼吸ケア | 人工呼吸器看護 |
| 脳神経 | 事例検討 フィジカルアセスメント |
| 循環器 | 虚血性心疾患の看護 心不全・不整脈の看護 |
| 周術期看護 | 麻酔の種類と看護 術前評価 術後の観察ポイント |
がん看護 | 緩和ケア | 緩和ケアの概念 疼痛コントロール |
| 化学療法 | 抗がん剤の基礎知識 |
| 放射線治療 | 放射線治療の理解 患者・家族の理解 |
老年看護 | 認知症 | 認知症高齢者の理解 ユマニチュード コミュニケーション |
| 摂食・嚥下 | 嚥下のメカニズム 事例検討 |
スキンケア | 褥瘡ケア 創傷ケア スキンテア 下痢のケア | 褥瘡予防ケア 下痢時のケア ドレッシング剤の選択 |
慢性期看護 | 糖尿病看護 | 糖尿病の病態と合併症 インスリン指導の実際 |
| 透析看護 | 血液透析の基礎知識 |
レベルⅡ~Ⅴ 協働する力・意思決定する力
研修項目 | 内容 |
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在宅療養支援(退院支援) | 退院調整システムの理解 退院調整 社会保障 |
対人関係 | コミュニケーション アサーティブ 自己分析 |
看護倫理 | 倫理綱領 意思決定 事例検討 |
レベルⅡ~Ⅴ 勤労者看護
研修項目 | 内容 |
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勤労者看護 | 勤労者看護業務基準 事例検討 勤労者の自立支援 |
レベルⅡ~Ⅴ マネジメント
研修項目 | 内容 |
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医療安全 | チームステップス SBAR なぜなぜ分析 |
看護の質評価 問題解決能力 | KJ法 企画書の作成 組織分析(SWOT) |
レベルⅡ~Ⅴ 自己成長・研究
研修項目 | 内容 |
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役割研修 | チューターの役割 新人教育担当者 2年目看護師教育支援者 |
研究 | 文献検索 看護研究 |
中途採用復帰者
研修項目 | 内容 |
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感染対策 | 標準予防策・針刺し事故防止と対応 |
医療安全 | 当院における医療安全システム・事故防止対策(薬剤・転倒ほか) |
褥瘡予防 | 具体的な褥瘡予防対策(ドレッシング剤・マット類)・関係書類 |
フォローアップ研修 | 意見交換、働く意欲へつなげる |
まとめの会 | 1年間を振り返り、自己の課題 |
看護補助者
研修項目 | 内容 |
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役割と責任 | 業務規程・業務手順・身だしなみ・接遇・安全 |
感染防止 | 基礎知識、療養環境整備の実際、消毒方法 |
技術演習 | 環境整備・移送・排泄介助・体位変換・食事介助・清拭と更衣・感染・安全 |
看護職全体
研修項目 | 内容 |
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活動計画 | 部門別計画(総務・教育・業務) プロジェクト |
トピックス研修 | 重症度、医療・看護必要度他 |
活動報告 | 部門別報告(総務・教育・業務) プロジェクト報告 |
院内認定
研修項目 | 内容 |
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IVナース | 静脈注射についての知識・技術演習・試験 |
造影剤IVナース | 造影剤・副作用等の知識・技術演習・試験 |
シャントナース | 透析について知識・技術演習・試験 |
抗がん剤IVナース | 講義(薬剤に関する知識・ケア)・技術演習・試験 |
貯血式自己血採血院内認定看護師 | 自己血採血の知識・技術演習・試験 |
全職員合同研修
研修項目 | 内容 |
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医療安全 | 医療事故やインシデント対策 |
感染対策 | 職業感染対策予防の知識の向上 |
救命処置(ICLS・BLS) | 救急処置の実践的知識・技術の向上 |
接遇・マナー | 実践的な知識・実技の取得 |
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