関西労災病院では、2019年度より特定行為研修協力機関として受講生の受け入れを始め、現在5期生が受講しています。
2023年4月現在、22名が研修を修了しています。
特定行為研修って?
チーム医療を推進し、看護師がその役割をさらに発揮するため、2014年6月に「特定行為に係る看護師の研修制度」が創設されました。2015年3月には、制度の詳細が定められた省令および施行通知が発出され、10月より研修制度が開始されました。
特定行為研修は、看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能の向上を図るための研修であって、特定行為区分ごとに特定行為研修の基準 に適合するためのものです。
特定行為研修イメージ
特定行為区分とは?
特定行為区分は、特定行為の区分であり、次の21区分です。
- 呼吸器(気道確保に係るもの)関連
- 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連
- 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連
- 循環器関連
- 心嚢ドレーン管理関連
- 胸腔ドレーン管理関連
- 腹腔ドレーン管理関連
- ろう孔管理関連
- 栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連
- 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連
- 創傷管理関連
- 創部ドレーン管理関連
- 動脈血液ガス分析関連
- 透析管理関連
- 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連
- 感染に係る薬剤投与関連
- 血糖コントロールに係る薬剤投与関連
- 術後疼痛管理関連
- 循環動態に係る薬剤投与関連
- 神経及び神経症状に係る薬剤投与関連
- 皮膚損傷に係る薬剤投与関連
研修の特徴
講義はeラーニング
1年間、働きながら受講ができる!
演習や実習は自施設で
- いつもの環境でできる!
- 高度医療の先端を担う当院の医師・診療看護師・特定行為研修修了者に直接指導してもらうことができる!
特定行為研修修了者
当院では診療看護師の他に、21名の特定行為研修修了者が活躍しています。
特定行為区分 | 取得人数 |
---|---|
創傷管理関連 創部ドレーン管理関連 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 4名 |
循環動態に係る薬剤投与関連 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 2名 |
血糖コントロールに係る薬剤投与関連 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 2名 |
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 動脈血液ガス分析関連 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 4名 |
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 動脈血液ガス分析関連 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 循環動態に係る薬剤投与関連 | 3名 |
栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 | 1名 |
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 3名 |
術中麻酔管理領域 | 2名 |
(2023年4月1日 現在)
インタビュー
特定認定看護師の活動について
渡邉 光子WOCN
研修受講生の声
加納 徳美 小浴 健志 田尻 朝子
特定認定看護師の活動紹介
皮膚・排泄ケア特定認定看護師 渡邉光子
こんにちは、皮膚・排泄ケア特定認定看護師の渡邉光子です。私の仕事は院内外を問わず地域で暮らす褥瘡や人工肛門・人工膀胱(ストーマ)、創傷を持つ方のケアを担当しています。看護部に所属して、創傷関係の相談依頼があればそこへ出向いて担当看護師や主治医とケアや処置をしています。そしてストーマを持った新しい生活様式の習得をサポートし、創傷が感染やその他の合併症を起こすことなく住み慣れた地域で暮らし続けられるよう支援しています。
特定認定看護師の仕事
私は2017年に創傷管理を中心とした3つの特定行為区分、5行為「血流のない壊死組織の除去」、「陰圧閉鎖療法」「創部ドレーンの抜去」、「脱水に対する輸液補正」、「高カロリー輸液の投与量の調整」の研修を修了しました。どのように実施しているかというと、主治医から創傷治癒までの管理の実施指示「包括指示」を受けて、特定医行為の「手順書」に準じて創傷治癒を促進させる血流のない壊死組織の除去(デブリードマン)や機械を用いる陰圧閉鎖療法、不要な皮下ドレーンの抜去、抜糸処置を患者さんの状態を見極め、タイムリーな対応をしています。
褥瘡・創傷ケア
創傷治癒を妨げている壊死組織をデブリードマンできるような外用剤の使用、処置方法を提示して、担当看護師とともに行います。創傷治癒過程を見極め、デブリードマンを実施し、適宜処置方法を変更します。
ストーマ外来
退院後ストーマやドレーン抜去部の抜糸を行います。
訪問看護
病院に受診が困難な方や訪問看護師がストーマケアを行っている方へ訪問看護師とともに同行訪問を行っています。その際に必要に応じてデブリードマンや外用剤の変更、必要時培養採取をして、医師に報告、対応を相談し、緊急受診を避け、自宅での療養生活の継続を支援しています。