血液検査基準値Ⅱ 肝機能

2020.06.22

本日は、4回シリーズでご紹介している「血液検査基準値」の2回目、「肝機能」です。
(第1回「貧血」はこちら

肝機能に関する検査項目については下の表にまとめています。ご自身の検査結果をご覧になるときの参考になさってください。

項目名 基準値 検査の意味

AST

アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ

12~35 U/L

肝臓の状態の指標です。また心臓、筋肉の状態も反映します。アルコールの過飲や激しい運動でも上昇します。

ALT

アラニンアミノトランスフェラーゼ

5~30 U/L

肝臓の状態の指標です。アルコールの過飲でも上昇します。

γGT(γ-GTP)

ガンマグルタミルトランスフェラーゼ

M 10~70 U/L

F 7~35 U/L

アルコール性の肝障害で上昇します。胆道の異常や薬物によって上昇することもあります。

TB

総ビリルビン

0.2~1.2 mg/dL

黄疸を伴う胆道疾患や溶血性疾患の指標です。

DB

直接ビリルビン

0~0.4 mg/dL

ビリルビンのうち肝臓で処理されたもので、肝胆道系疾患の詳しい判別の指標となります。

ALP

アルカリホスファターゼ

109~344 U/L

肝臓や胆道、骨の状態を反映します。通常、妊婦や成長期の小児では高くなります。

Che

コリンエステラーゼ

217~491 U/L

脂肪肝や糖尿病で上昇し、肝炎や急性の感染症で低値を示します。中毒(農薬など)で低値になります。

LD

乳酸脱水素酵素

110~240 U/L

心臓、肝臓の状態を反映します。運動でも上昇します。他の検査と組み合わせて判断します。

血中NH3

血中アンモニア

15~60 μg/dL 肝臓機能の重症度の指標です。

L(リットル)=1000cc dL(デシリットル)=10分の1リットル mL(ミリリットル)=1,000分の1リトル μL(マイクロリットル)=100万分の1リットル 

g:グラム=1,000分の1キログラム mg(ミリグラム)=1,000分の1グラム μg(マイクログラム)=100万分の1グラム ng(ナノグラム)=10億分の1グラム pg(ピコグラム)=1兆分の1グラム

M: 成人男性 F:成人女性  

 

次回は血中脂質・血糖についてご紹介する予定です。

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