五月病

2011.05.02

今頃の季節から初夏の頃にかけて、
「五月病」という言葉を
よく耳にするようになります。
「五月病」とは、
「4月に新しく入った学生や社員などに、
五月頃しばしば現れる神経症的な状態」
と広辞苑にあります。

4月に大きく環境が変わるということが、
大きな要因として考えられます。
例えば高校を卒業して大学に入った方の中には、
4月の進学直後は高校の延長として、
授業にまじめに出席していても、
出席している学生も少なく、そのうちに
「大学は出席しなくてもいいのでは」と思い
学校に行かなくなり、
引きこもるようになる人もいるようです。
こういった人々は「五月病」に陥っていくようです。


人間の体の機能は
自律神経交感神経副交感神経
によって支配されており、
交感神経副交感神経
互いに反対の作用をしながら
身体機能を調節しています。
即ち昼間は交感神経が活発となり、
副交感神経は低下して、活動性が上がり、
夜はその逆となり、よく眠れるというしくみです。
      自律神経のバランス

シーソーのように上がったり下がったりの
リズムが必要というわけです。
昼間にごろごろして過ごすようになると、
このリズムがなくなってしまいます。
昼間は歩くだけでもしんどくなり、
夜は寝むれなくなってしまいます。
「五月病」の予防のためには、
当たり前のようですが、規則正しい生活が必要ということです。

ストレス耐性を高めることも、
「五月病」の予防にとって非常に大事なこととなります。
今回はいくつかの予防ポイントをあげてみます。
★誰にでもいいから話をする!
人に話をする時には、自分の考えを
整理しないと言葉にできません。
誰かに話をするだけで自分の考えが自然と整理されて、
落ち着くこともあります。
これを専門的には「言語化」といい、
カウンセリングの重要な技法です。
★物事を考える時、様々な方向から考えるようにする!
視点を切り替えて物事を考える必要があるわけで、
これは認知療法の技法の一つです。
★嫌なことを長時間考え続けない!
テレビのチャンネルを切り替えるように、
頭のチャンネルも切り替えが必要です。
そのためには、スポーツや体を使った作業が有効なこともあるようです。
ストレスは人生にとって、避けては通れないものです。
ストレス耐性を高めることは、
人生の重要な課題であることはいうまでもありません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
関西ろうさい病院 心療内科・精神科のご案内
勤労者予防医療センター 対面カウンセリングのご案内
勤労者心の電話相談のご案内
カテゴリー
かんろうメディカル通信 最新記事
月別アーカイブ

ページの先頭へ