2021.10.18
めまい発作と難聴・耳鳴・耳閉感を繰り返す病気
メニエール病は平均50歳前後の壮年期に発症し、めまい発作とそれに伴う難聴・耳鳴・耳閉感を繰り返す疾患で、環境などのストレスが発作の誘因となることが多いようです。発症する原因は不明ですが、内耳に内リンパ水腫が形成されることが知られており、当院ではMRI検査による診断が可能です(図1)。経過が長期にわたると難聴が徐々に進行し、持続する耳鳴や浮動感に苦しめられることになります。
メニエール病に対する治療は?
メニエール病に対する治療は段階的に進めることが推奨されています(図2)。まず十分な睡眠など生活習慣の改善や水分摂取・有酸素運動等から始まります。次の段階として利尿薬や抗めまい薬等の薬物治療を行います。これらの治療でめまい発作が減少しない場合は、手術(内リンパ嚢開放術)あるいは今回ご紹介する中耳加圧治療を行います。中耳加圧治療は2018年9月に正式に保険収載された新しい治療ですが、当院では2015年から臨床試験として開始しており、これまでの施行症例数は国内最多です。中耳加圧治療と手術のうち、いずれを行うかはめまいの状況や患者さんのご希望等によりますが、併用して行う場合もあります。
次回2021年10月25日に「メニエール病に対する新しい治療法、中耳加圧法②」で中耳加圧療法等についてご紹介する予定です。