2022.02.14
はじめに
2019年12月以降、新型コロナウィルス感染症は短期間で全世界に広がり、我々の生活を一変させました。感染やワクチン接種に対する不安や恐怖、差別や偏見といった様々な問題を抱えながら、ソーシャルディスタンスや自粛を求められ、人とのコミュニケーションの機会が減ったことで孤独感を覚える方々が増えています。こうした中、マスコミを中心に「コロナうつ」という用語が使われていますが、「コロナうつ」とはどういうものなのでしょうか?
コロナうつとは
「コロナうつ」は正式な病名ではなく、「五月病」に近い用語です。環境変化に上手く対応できず、情緒面や行動面で何らかの症状が出現した状態であり、いずれも正式な病名は「適応障害」になります。「うつ」という言葉が付くことで「うつ病」を連想しがちですが、「うつ」=「うつ病」ではありません。「うつ」は抑うつ状態を表す用語です。抑うつ状態は様々な要因で起こります。「コロナうつ」や「五月病」における抑うつ状態は、環境変化に対するストレス反応によるものです。他にも、脳梗塞や甲状腺疾患などの身体疾患による抑うつ状態もあります。一方で、うつ病はストレス反応や身体疾患では説明がつかない抑うつ状態です。