320列CTによる冠動脈検査

最新の320列CTで患者さんにやさしい冠動脈検査を提供

CT

心筋梗塞や狭心症など、冠動脈の病気を調べるうえで、注目を集めているのがCT検査です。CT検査は、からだの断層像を撮影しコンピュータで画像処理する検査です。詳細な検査が可能なうえに、からだへの負担が小さいというメリットもあります。

関西ろうさい病院は、全国でもまだ希少な最新のCT装置(320列CT)を導入し、患者さんにやさしい冠動脈検査を提供しています。

心疾患の約4割は冠動脈の病気


冠動脈CT検査画像

近年、食生活が欧米化し、動脈硬化性疾患は日本人においても大きな問題となっています。心疾患は、日本人の死因の第2位で、その約4割が心筋梗塞や狭心症といった冠動脈の病気です。

冠動脈とは、心臓の筋肉を養う血管です。動脈硬化によって血管が細くなると、血流不足による胸の痛みや心臓の機能低下、不整脈などをきたします。高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、喫煙などの危険因子を有する人も増えており、若くして発症される方も少なくありません。

冠動脈造影検査の新しいかたち

冠動脈カテーテル検査

冠動脈の病気の検査としては、運動をして心電図変化や血流分布の異常を調べる検査(負荷心電図、負荷心筋シンチグラフィー)があります。冠動脈の病気が疑われたら、実際に細くなっている部位や程度を確認して治療方法を決めなければなりません。そのためには、やはり造影検査が必要です。

従来は、動脈にカテーテルという細い管を入れ、直接冠動脈に造影剤を注入する冠動脈造影検査を行う必要がありました。出血などの危険性も伴うため、安全のために入院が必要な検査でした。

しかし、近年、CT(コンピュータ断層撮影=Computed Tomography)装置の進歩によって、カテーテルを入れなくても心臓(冠動脈)の全体像を調べることが可能となっています。冠動脈CT検査は、入院する必要はなく、外来通院で受けることができます。検査時間は20分程度です。

不整脈治療への応用

冠動脈の形状を把握するのみならず、心臓全体の構造を詳細に把握することが出来るのもCT検査の強みです。不整脈に対するカテーテル治療としてカテーテルアブレーションという治療があります。心房細動に対するカテーテルアブレーションの有効性が示されて以降、治療を受けられる患者さんが増加し続けています。当院においても最新のシステムを導入し、不整脈治療に取り組んでおりますが、その治療の術前検査としてCT検査は非常に有用です。心臓の形は患者さんひとりひとりで異なりますが、術前にCT検査を行い、解剖学的な特徴を把握することで、より安全に、効果の高い治療を受けていただくことが出来ます。

術前に行ったCTの画像を使いながら不整脈の治療を行います。

関西ろうさい病院 不整脈科のご紹介

身体にやさしい最新のCT装置

関西ろうさい病院では、2010年3月より最新の320列CTを導入し、冠動脈CT検査を開始しました。320列CTは、現在普及している64列CTよりも短い時間で心臓全体を撮影できます。

撮影時間は最短0.35秒と非常に短く、造影剤や被爆の量も減らすことができます。当院では、この最新の320列CTの特徴を生かし、身体への負担を少なく、より精度の高い冠動脈検査を目指しています。

冠動脈CT検査の手順

撮影までの留意点

冠動脈CT検査

心臓の動きが激しいと画像にブレが生じてしまいます。通常、検査前に脈拍を整えるお薬を服用して来院していただきます。

検査室に入ったら撮影の準備を行っていきます。
心臓の動きに合わせて撮影のタイミングを決めるため、心電図を装着します。
造影剤注入のための点滴を右肘から行います。
血管が十分広がった状態で撮影を行うため、ニトログリセリンという錠剤を服用します。口の中で溶けるまでしばらく待って飲み込んでください。

息止めの合図にあわせて練習を行います。
息止めのタイミングが合わないと、撮影をする際に心臓の位置がずれてしまい、画像にブレが生じてしまいます。合図に合わせて軽く吸って、しっかり止めましょう。息止めの時間は約10秒間です。

実際の撮影と検査後の注意点

冠動脈CT検査

撮影の準備が整ったら、造影剤を注入して本番の撮影を行います。造影剤の注入が始まると身体が熱くなります。注入開始後、約10秒程度で息止めの合図がありますので、練習と同じように息止めをしてください。タイミングを図って撮影を行います。撮影に要する時間は最短0.3秒です。

点滴の針を抜いて検査は終了です。

造影剤を使用する検査です。造影剤は尿の中に排泄されますので、検査後はしっかり水分を取るようにしてください。水分制限の指示を受けられている方はご相談ください。

検査は全体で約20~30分程度です。

画像はコンピューターで解析を行います。結果は、後日、担当医よりお伝えいたします。

冠動脈CT検査で迅速な診断・適切な治療へ

冠動脈が細くなっている場合の治療方法は、お薬による治療、カテーテル治療、バイパス手術など病気の程度により様々です。血流のバランスを調べる検査(心筋シンチグラフィー)や、カテーテル検査によりさらに詳細な評価を行います。これらの結果を総合して治療方法を決定していきます。早期にきちんとした検査を受け、危険因子のコントロールも含めた適切な治療を開始することが重要です。

冠動脈CT検査はスクリーニング検査として有用な検査です。動脈硬化の危険因子をお持ちの方、狭心症が気になる方、一度、内科外来(循環器内科)に受診し、ご相談下さい。

冠動脈CT検査は、こんな方に適しています

  • 狭心症かどうかわからないが胸の違和感がある方
  • 心電図や心エコー図検査で異常を指摘された方
  • 高血圧、糖尿病、高コレステロール血症など危険因子が多い方

注意が必要な方

  • 腎臓の機能が悪い方(造影剤により増悪をきたす可能性があります)
  • 造影剤にアレルギーをお持ちの方(入院検査をお勧めする場合があります)

気になる症状をお持ちの方は、お気軽に循環器内科外来でご相談ください。

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