強度変調放射線治療(IMRT)①

2015.09.14

強度変調放射線治療がんの(IMRT)とは?
がんの放射線治療の照射方法のひとつで「放射線を当てたくない部分は避けて、当てたい部分はしっかり当てる」照射技術です。英語の頭文字をとって、IMRT(アイエムアールティー)とも呼ばれます。複雑なコンピューター計算と専用の治療装置が必要であり、計算結果確認のための測定作業には、患者さん一人あたり1週間近くを要します。日本では平成12年頃から限られた施設で行われていましたが、平成20年に保険適用が認められ、同時期から治療装置や測定器具の性能が飛躍的に良くなったことから、ここ数年で急速に普及してきました。

■利点
がんを放射線で治す効果を保ちながら、副作用が少なくなることです。入院治療が必要だったがんが、外来通院でも治療できるようになったり、治療後の長期的な後遺症に悩まなくてよくなる場合が考えられます。

■適応疾患
「放射線を当てたくない重要臓器」と「放射線で治したいがん」が隣接しているときに、IMRTは最も威力を発揮します。
①直腸と隣接している前立腺がん                                                           
 直腸を避けてIMRTで治療することにより、直腸出血の確                                                 
 率が1/4に減ることが報告されています(図1)。                                              
                                                        
IMRT①図1 前立腺がんの従来の照射(A)と直腸
        を避けたIMRT (B)
                                    




②だ液腺と隣接している咽頭がん
だ液腺を避けてIMRTで治療することにより、治療後2年
以降の口の渇きが減ることが報告されています(図2)。

IMRT② 図2   咽頭がんの従来の照射(A)とだ液腺
         を避けたIMRT(A)






放射線治療科のご案内

ガンセンターのご案内

交通アクセス

 

 

 

カテゴリー
かんろうメディカル通信 最新記事
月別アーカイブ

ページの先頭へ