強度変調放射線治療(IMRT)②

2015.09.21

■放射線治療のながれ
①医師の診察、画像検査、血液検査などにより、病変の範囲を判断します。
②固定具を作成し、治療を受けるのと同じ姿勢で単純CTを撮影します(30分)。
③医師による治療計画の作成後、医学物理士と技師により線量測定などの検証作業が行われます(1〜7日)。
1回目の照射を始める前にイメージガイドによる基準位置の決定と皮膚へのマーキングをします(30分)。
⑤土・日・祝日以外の毎日、通院または入院で照射治療を続けます(15分×1〜8週間、数は病変で異なる)。

■回転IMRT(VMAT)
回転IMRT(VMAT)は従来のIMRTの発展形です。従来のIMRTでは固定した5-7方向からの各ビームに強弱をつけていましたが、回転IMRTではビームを出しながら装置が回転し、角度ごとにビームに強弱をつけます。関西ろうさい病院のtrueBEAMでは角度が2度ごとに約180方向(1回転)、または約360方向(2回転)から照射しています。

従来のIMRTは治療時間が長い(7-15分)のが難点でしたが、回転IMRTになって治療時間が大幅に短縮(1.5-3分)しました。また、より複雑な形状のがん病変にフィットするように照射範囲をコントロールできるようになり、放射線治療の可能性が広がりました。速くて正確な照射を保険診療で行うことで、より多くの患者さんに質の高い放射線治療を提供していきたいと考えています。

■当院の新しい放射線治療装置【TrueBeam】
平成26年3月末に完成した「がんセンター」に、IMRTが可能な放射線治療装置TrueBeam(トゥルービーム)を導入しました。通常のIMRTのほか、回転IMRT(VMAT)により1回当たりの治療時間を大幅に短縮することが可能です。リニューアルした放射線治療センターには、治療計画用CTとして4D(4次元) CTシミュレータ(シーメンス社Definition AS) 1台、放射線治療装置として新型リニアック(バリアン社 TrueBeam) 2台(平成27年7月27日より2台体制)を導入しました。
リニアック1号機号機リニアック2










      TrueBeam(1号機)               TrueBeam(2号機)

4DCT







   4D CTシミュレータ

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