心房細動の根治を目指して①

2016.08.15

心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割を果たしています。握りこぶしくらいの大きさの筋肉でできた袋です。4つの部屋から成っており、それぞれ右心房、左心房、右心室、左心室と呼ばれます。この4つの部屋が決められた順番で、広がったり縮んだりすることで、全体として効果的に血液を送り出すことができます。このような心臓の動きは筋肉の壁に埋め込まれた電気回路に電気が流れることで、制御されています(刺激伝導系)。

心臓画像
心臓の4つの部屋と壁に埋め込まれた電気回路(刺激伝導系)

不整脈は、この電気の流れに異常をきたす病気で、治療を必要としないものから、薬剤やカテーテル治療、ペースメーカなど植込み型の機械が必要な治療まで様々です。

不整脈のひとつに心房細動があります。心房細動とは心房で異常電流が流れて脈が乱れる不整脈です。ストレスや寝不足、アルコールの飲みすぎなどで発症するといわれ、動悸症状、脳梗塞、心不全の原因となることがあります。

近年急速に普及しているカテーテルアブレーションという治療で、この心房細動が根治可能になってきました。

カテーテルアブレーションとは
カテーテル先端から約60℃の熱を出して、心臓の筋肉の表面にやけどを作り、心房で異常な電流が流れないようにする治療のことをいいます。原因を取り除く治療なので、心房細動の根治を目指すことができます。

関西ろうさい病院では2016年2月に不整脈科を新設し、心房細動に対するカテーテルアブレーションなど、不整脈診療により一層力を入れてまいります。

《ブログ用》カテーテルアブレーション治療
  カテーテルアブレーション治療の様子


次回(2016年8月22日(月)予定)は、カテーテルアブレーションの最新治療についてご説明いたします。

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