平成28年度第2回肝臓病教室を開催しました

2016.08.08

関西ろうさい病院では、2ヶ月に1度、肝臓病への理解を深めていただくために、肝臓病教室を開催しています。平成28年度第2回目となる肝臓病教室は、7月28日(木)に、「肝硬変を防ごう」をテーマに開催いたしました。

萩原副院長・消化器内科部長からは各肝炎の症状及び治療法についてご説明しました。

B型肝炎
B型肝炎ウイルス(HBV)の持続感染から慢性肝炎を引き起こすケースがあります。慢性肝炎は15~30年と長い期間を経て肝硬変となり、肝硬変に近づくほど肝発がんが発生しやすくなります。B型肝炎での肝発がんの危険性は、高ウイルス量、40歳以上の男性、飲酒者で高い傾向があります。B型肝炎に対する抗ウイルス薬治療にペグインターフェロン、核酸アナログ薬が挙げられますが、C型肝炎と異なり、ウイルスの完全排除は現状のところ困難とされています。

自己免疫性肝炎
細菌やウイルスなどの異物を排除する生体の防御機構である「免疫」の異常により発生します。症状としては主に、全身倦怠感、食欲不振などが挙げられ、約3-5%で肝細胞がんを合併します。治療としては副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)が第一選択薬となります。

原発性胆汁性肝硬変
慢性進行性の胆汁うっ滞性肝疾患(肝臓の中の細い胆管が壊れていく病気)です。症状としては全身倦怠感、皮膚掻痒感(皮膚引っかき傷)が現れます。治療としてはウルソデオキシコール酸(UDCA)が第一選択薬となります。なお、日本では2016年4月から原発性胆汁性胆管炎の名称が採用されることとなりました。

肝臓病教室(医師)

つづいて、看護師からは肝炎に関するセルフケア(自己管理)についてご説明しました。

《セルフケアの具体例》
肝臓に過不足のない栄養を摂る、指示された薬はきちんと内服、肝臓に悪いもの(タバコ、酒、市販薬など)を摂取しない、規則正しい生活をし清潔を保つなど

この他、食生活においては、規則正しく食べること、野菜、キノコ類をたっぷり摂ること、塩分を控えめにすることなどに気をつけていただくようお話しました。

肝臓病教室(看護師)

 次回の第3回肝臓病教室は、平成28年9月29日(木)に開催する予定です。テーマは「放っていては危ない!脂肪肝のお話」です。事前予約は不要です。お気軽にご参加ください。

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