出生前遺伝学検査について①

2016.11.21

■出生前遺伝学検査って?

妊娠中の母親の血液を採取し、血液中に浮いているDNA断片を分析することで、胎児が特定の染色体異常症かどうかを調べる検査です。採血のみで検査できるため、従来から行われていた羊水検査等に比べ、妊婦や胎児への負担・リスクが少ない検査方法です。

現在、胎児が21トリソミー*、18トリソミー、13トリソミーである可能性が高い確率でわかります。しかし100%の確率でわかるわけではなく的中率は90%程度です。従って検査陽性となっても確定診断を得るためには絨毛検査または羊水検査が必要となります。反対に染色体数が正常であるという可能性は非常に高い確率でわかり、陰性的中率は99.9%です。ただ、染色体の一部が入れ替わったりくっついたりするなどの染色体の構造はわかりません。また遺伝性疾患かどうかを確認することもできません。

ブログ37号トリソミー

*染色体は23対あり、本来は2本で1対の染色体を成しますが、この本数が何らかの異常で3本になることをトリソミーと呼び、21番のトリソミーはダウン症候群、18番のトリソミーはエドワーズ症候群、13番のトリソミーはバトウ症候群を引き起こすと言われています。

 
次回は出生前遺伝学検査の対象者、注意点について平成28年11月28日(月)に掲載する予定です。

++++++++++++++++++++++++++++++++

関西ろうさい病院 産婦人科のご紹介

カテゴリー
かんろうメディカル通信 最新記事
月別アーカイブ

ページの先頭へ