消化器がんに対する最新の内視鏡治療について ②

2017.07.24

日本人に多い大腸がん

大腸がんは罹患数で第1位、死亡数で肺がんに次いで第2位と日本人に非常に多いがんです。大腸がんの治療は大きく分けて内視鏡治療と外科的治療がありますが、外科的治療はお腹を切って大腸がんを切除するので、身体への負担が大きくなります。より早期の段階で発見できれば、低侵襲な内視鏡治療を行うことが可能です。

最新の内視鏡治療 (前回の続き)

前回は内視鏡的粘膜切除術(EMR)について、ご説明しました。今回は、近年導入された内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)についてご説明します。ESD(図2)は大きな病変でも一括切除が可能で、そのため再発のリスクが低く、病変の広がりやがんか否かの正確な組織診断が可能です。 2012年4月からは健康保険で治療が行えるようになりました。これまでは外科手術が行われていた大きな腫瘍も、条件が合えばこのESDという技術を用いるとひと固まりで腫瘍の摘出が可能で、外科手術に比べて体への負担は少なく、入院期間も短く、すぐに社会復帰が可能です。(大腸ESDは施設認定基準をクリアした施設のみ可能な治療です。)

 

大腸がんの内視鏡治療は日々進歩しています。まずは、大腸内視鏡検査を受けられることをお すすめします。大きなサイズの腫瘍が見つかっても早期の段階であれば、より負担の少ないESDでの治療を受けることも可能です。

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