2019.05.27
前回は「半月板損傷①」で「半月板とは?」と「症状は?」についてご紹介しました。内容はこちら
関節鏡を用いた手術
痛みが非常に強い場合や腫れが強く関節穿刺を頻回に行う場合、または膝が伸ばせない場合は、関節鏡を用いた手術の適応になります。手術には縫合術と切除術がありますが、膝の機能を保つために、できる限り縫合術が選択されるようになってきています。ただし、どの程度の損傷まで縫合術を適応できるかについては、まだ答えが出ていません。半月板は治りにくい組織である軟骨の一種なので、無理矢理に縫合しても修復されるとは限らないのです。また近年では、縫合術には様々な器具が用いられるようになってきました。通常は、縫合する側に数センチの皮膚切開を行い、半月板の断裂部を貫いた糸を関節包の外側で結ぶことによって縫合します。この操作を特殊な器具で断裂部を貫くことにより縫合を完成させる方法(下図)や、半月板の断裂部に関節内で糸を通して、結ぶ方法も用いられるようになってきました。この方法は、治癒率を高める可能性があるのではないかと期待されています。