回転IMRTを応用した定位放射線治療②

2020.02.10

前回は「回転IMRTを応用した定位放射線治療①」で「定位放射線治療とは」、「回転IMRT(VMAT)とは」をご紹介しました。内容はこちら

回転IMRTを応用した定位放射線治療(VMAT-SRT)

当院では2008年から肺がんの定位放射線治療を行っており、2011年には肝がんにも適応拡大しました。固定した6方向からの照射を長らく行ってきましたが、2014年のIMRT導入から4年が経過し、回転IMRTで治療した患者数が650名を超えたことから、2019年「回転IMRTを応用した定位放射線治療(VMAT-SRT)」を開始しました。治療装置本体と患者寝台の両方を回転させることで患者さんの周りに3つの軌道を作り、健常臓器を避けながら、がんにしぼり込んだ照射を行っています(下図左)。高齢の患者さんや肺機能の良くない患者さんでも安全に治療を実施できています(下図右)。

 

他の治療法との使い分けと今後の展開

肺がん・肝がんでは画像で見える部分だけでなく、周囲 B Cに顕微鏡レベルのがん細胞が散らばっていることがあるため、再発を防ぐためには、周囲を含めて手術で大き目に切除した方が良い場合があります。一方で、最近急速に進歩した抗がん剤や免疫療法と組み合わせることで、手術や放射線治療の範囲をしぼり込めるという考え方もあります。同じステージでも患者さんの状態は千差万別です。放射線治療科ではVMATやVMAT-SRTに代表される高精度放射線治療の技術を磨きながらも、他の関連科と連携して、患者さんが最善の治療方針を選択できるようお手伝いをさせていただきたいと考えています。

 

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