僧帽弁閉鎖不全症について①

2021.02.08

僧帽弁閉鎖不全症とは?

心臓は全身のすみずみまで血液を送り、それにより脳をはじめとした全ての臓器の機能が保たれています。肺で酸素を取り入れた血液は、左心房から僧帽弁を通って、左心室に入ります。左心室は、収縮時に、大動脈弁を介して、全ての血管の中枢である大動脈に向かって血液を駆出します。

ところが、僧帽弁が十分閉鎖しないと、左心室が収縮する時、大動脈だけでなく左心房にも血液を駆出してしまいます。左心房は、そもそも肺で酸素化された血液が心臓に返ってくる部屋であり、そこに左心室から駆出された血液が逆流してくるため、肺に血液が停滞します。その結果、軽労作で息切れ(階段を上がるとすぐに息が切れるなど)などの症状が出現する病気が僧帽弁閉鎖不全症です。

原因は様々ですが、僧帽弁を支える腱索が断裂することにより起こることが多く見られます。診断は、聴診で異常を発見し、心臓超音波検査で確定診断に至ります。

次回2021年2月15日には「僧帽弁閉鎖不全症について②」で僧帽弁形成術をご紹介する予定です。

 

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