手術支援ロボット(ダヴィンチ)による前立腺全摘除術①

2015.03.09

75歳未満で局所限局性前立腺癌(がん細胞が前立腺内にとどまっており他に転移していない状態)と診断された場合は、全身状態を検討した上で、一般的に多くのケースで前立腺全摘除術や放射線照射といった根治性を目指した治療法が選択されます。当院では手術支援ロボットであるダヴィンチを導入し、2014年11月から、まずはロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除(robotic-assisted laparoscopic radical prostatectomy、以下RALP)を開始しています。

 ■ロボット支援手術とは?
ロボット支援手術といってもロボットが独自に手術を行うわけではありません。医師がロボット操作用の台であるコンソール(図2)から、3次元立体画像を見ながら手術用の鉗子類を装着したロボットアーム(図1)を遠隔操作して手術を行います。腹部に小さな穴を開け、空気でお腹を膨らませた上で内視鏡や鉗子類を入れて手術を行うという点では、腹腔鏡手術と基本的には同じです。当院が導入した最新型のダヴィンチSiシステムでは、高倍率の拡大立体視野がハイビジョンで得られ、内視鏡カメラやロボットアームに装着された鉗子類は術者のコントロール下に置かれます。この7つの関節を有する鉗子は、関節の540度回転など人間の手をはるかに超えた動きが可能で、手先の震えが伝わらない手振れ補正機能があり、安全で精密な手術が可能となります(図3)。また、シミュレーションシステムが搭載されており、実際の手術を模したトレーニング(図4)が可能で、医療技術の向上にも大きく貢献します。

     図2           図1

さぷり図21さぷり図

図1・ロボットアームに鉗子類を装着したペイシェントカート

図2・術者コンソールからロボットアームをコントロール

 

 

           図3

3さぷり図

 

   図3・鉗子類は術者の指示を忠実に再現

 

 

 

     図4

4さぷり図

 

 図4 実際に手術を行っている感覚でトレーニングすることができ、教育面                 での質的向上が図れる

 

 

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