がんゲノム医療②

2019.10.21

前回は「がんゲノム医療①」で「がんゲノム医療とは」をご紹介しました。内容はこちら

検査の方法

手術などで採取されたがんの組織を使って、一度に多くの遺伝子を調べます。もし遺伝子変異が見つかった場合には、その遺伝子変異にどのような意義があるのか、効果が期待できる薬があるのか等について、複数の専門家で構成される委員会で検討されます。効果が期待できる薬がある場合には、臨床試験などを含めてその薬の使用を検討します。

がん遺伝子パネル検査を受ける前の注意事項

≫がん遺伝子パネル検査を受けても必ず治療法が見つかるわけではありません。
検査の結果、遺伝子変異が見つからない場合もあります。また、遺伝子変異があっても使用できる薬がない場合もあります。さらに、がんの組織の状態によっては(採取された時期が古いなど)、検査が正常に行えない場合があります。これまでのところ、がん遺伝子パネル検査を受けて自分のがんに合う薬の使用(臨床試験を含む)に結びつく人は全体の10%程度といわれています。

≫がんになりやすい体質にかかわる遺伝子変異が偶然見つかる場合があります。
ほとんどのがんは、親から子に伝わる「遺伝」により発生するものではありません。しかし一部には、生まれもった遺伝子の個人差が主な原因となって発病する「遺伝性腫瘍」が存在します。遺伝性腫瘍にかかわる遺伝子が見つかった場合、ご自身はもちろん、ご家族の将来の健康に対する不安が生じる可能性があります。がんゲノム医療中核拠点病院及び連携病院では、遺伝子にかかわる診療を行う専門部署を設けており、遺伝カウンセリングを受けていただくことができます。当院もがんゲノム医療連携病院に指定されております。

次回は令和元年10月28日(月)に「がんゲノム医療③」として「どうすれば受けられるの?」をご紹介する予定です。

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関西ろうさい病院 遺伝子診療科のご紹介

関西ろうさい病院 放射線科のご紹介

 

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