歯周病と糖尿病① 世界でもっとも蔓延している病気は歯周病である

2024.04.08

世界でもっとも蔓延している病気は歯周病である

2001年のギネスブックに掲載されており、世界の成人の半数以上は歯周病を罹っていると言われています。平成28年の歯科疾患実態調査では、日本人の40%以上に歯肉出血や歯周ポケットが認められました。一方、令和元年の国民健康・栄養調査(厚生労働省)では、70歳以上の男性26.4%、女性19.6%が糖尿病を強く疑われており、高齢者の半数近くが、糖代謝異常を指摘され、糖尿病とその予備軍は約2,000万人と言われています。

歯周病は第6の糖尿病の合併症である

1993年に歯科医師のLöeが提唱した言葉です。日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドラインにも、糖尿病と歯周病は生活習慣病であり、「炎症」で繋がる密接な関係と記載されています。炎症細胞から分泌されるサイトカインが、インスリンの効果を弱くして血糖値を上げますが、歯周病も細菌による感染症であり、歯の周囲の歯肉や歯槽骨に炎症が発生します。わずかな炎症ですが、5年10年と長期にわたり持続し、血液を介して全身に影響するため、糖代謝にとっては大きな脅威になります。歯周病治療により慢性の微小炎症が改善すると、インスリンの効果が戻るため、高血糖も改善します。必ずしも、全員の血糖値が改善するとは限りませんが、糖尿病をはじめ、身体の中に炎症を抱えている患者さんこそ歯周病治療が重要といえます。

 

次回は4月15日に「歯周病と糖尿病② 歯周病は発症すると二度と元には戻れない」について掲載の予定です。

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