2012.08.20
病院でよく使われる言葉の中には、患者さまにとっては、意味の良くわからない言葉も多いと思います。
医師から病状を聞いたり、何か質問したりする上でも
医療用語を理解することは大切です。
そこで、一般の方にわかりやすく”医療の言葉”を解説いたします。

アシネトバクターは土壌や河川水などの
自然環境中に生息する環境菌です。
暖かく湿潤な環境を好み、
健康人の皮膚、特に湿った部分である腋窩、会陰部、
足の指の間などにも常在している事が少なくありません。
毒性は弱いので重篤な状態にならない限り
感染症状を示すことはありません。
しかし、体力・免疫力の衰えた方に肺炎や
さまざまな感染症をおこすので注意しなければなりません。
予防は、うがいと手洗いです。
砂遊びや水遊びのあとは普通の石鹸で十分手を洗い、
特に、入院している方を見舞う場合は、
病室に入る前後に石鹸で手洗いを行うようにしてください。
その中でも多剤耐性アシネトバクターは
治療に使用する抗菌薬がほとんど効かなくなっている菌です。
通常、多剤耐性アシネトバクターによる感染症の流行は
集中治療室の患者さまやその他の重症患者で起こり、
医療機関の外で起こることは滅多にありません。
多剤耐性アシネトバクターの院内感染を防ぐには、
院内の環境を清潔に保ち、
医療器具の消毒や手洗いを徹底することが重要となります。
関西ろうさい病院では、
感染管理医師、感染管理認定看護師、薬剤師、臨床検査技師などで
感染対策チームを構成し、以下の活動を行い、院内感染対策に努めています。
<医療安全パトロールの実施>
院内感染症例の発見、感染防止業務の監視、
抗菌薬・消毒薬の使用状況の監視、
規定外の廃棄物の監視などを行っています。

<感染対策教育>
就職時及び年2~3回の感染対策に関する研修会を実施しています。
<院内感染対策マニュアルの整備>
厚生労働省のガイドラインに沿ったマニュアルを作成し、随時改訂しています。


<感染対策ニュースの発信>
週1回感染対策に関する情報と分離菌情報を
各部署に発信しています。
<地域連携>
東阪神感染対策研究会で感染に関する情報の共有と
意見交換を年に2回行なっています。
加えて、他病院との感染対策相互チェックを行っています。
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関西ろうさい病院 医療安全への取り組みについて
関西ろうさい病院 検査科 精度保証認証施設認定のお知らせ
関西ろうさい病院 薬剤部のご紹介
関西ろうさい病院 病理診断科のご紹介
広報誌「かんろう.ねっと特別号」 P.4
―精度保証認証施設 認定について