心房細動とは

心臓は血液を全身に送り出すポンプの働きをしていて、内部は4つの部屋に分かれています。心房細動は、心房という部屋がけいれんしてしまい、心臓の拍動が早く不規則になる病気です。高血圧、糖尿病、心臓の弁膜症や甲状腺病気などが原因として挙げられますが、加齢も大きな要因です。

心不全は血液が全身にうまく巡らなくなり、顔や足がむくんだり、呼吸が苦しくなります。また脳梗塞は、心臓内の血液のよどみから血の塊(血栓)ができ、脳の血管を詰まらせて脳を壊死させる病気で、うまく話せない、手足や顔面の麻痺などの症状を引き起こします。

- カテーテルアブレーション
- 脳梗塞に対する治療
心房細動の治療
カテーテルアブレーションとは?
心房細動の根治を目指した治療です。カテーテルというボールペンの芯くらいの太さの細長い器具を足の付け根の血管から心臓まで進めます。そして心房細動を引き起こす異常な電気信号を発する「肺静脈」という部分にやけどを作って心房細動を止めます。
発作性心房細動(発作が出たり止まったりする)では30分ほど、持続性心房細動では60~90分ほどの手術です。当院では患者さんの負担を減らすため全身麻酔での実施が可能です。
治療成績については、発作性心房細動で80~90%、持続性心房細動で70%くらいの方は心房細動の再発はありませんが、なかには治りきらない方や複数回の治療が必要な場合もあります。また以前と比べて治療を受ける負担は大幅に低くなりましたが、ご高齢の方などでは治療を控えた方が良い場合もあり、主治医とよく相談してから実施するかどうか決めていきます。
アブレーション治療が勧められる患者さん

実際に脳梗塞を起こした場合、数時間以内であれば血栓を取り除くカテーテル治療が有効な場合があります。急に話せなくなる、顔面や手足が動かないなどの症状があれば、すぐに救急車を呼んでください。
関西労災病院の心房細動アブレーションの特徴は?

脳梗塞の治療
抗凝固薬という血液をさらさらにするお薬を用いて脳梗塞の発症を予防することが非常に重要です。ただし若年(65歳未満)で高血圧や糖尿病などの併存疾患がない方は服用する必要がない場合もあります。
また出血しやすい他の病気でお困りの方の場合は、カテーテルによる左心耳閉鎖術を行い、脳梗塞を予防することもあります。
