麻酔科

診療科の方針・特色

手術を安全に、術後の痛みは最小限に

麻酔科の役割

麻酔科の医師が患者さんと直接お話しさせていただく機会は多くありませんので、麻酔科はみなさんにとって馴染みの薄い存在かもしれません。しかしながら当院のように高度な外科治療を数多く行っている施設では、習熟した麻酔科医を多数抱えることが患者さんの安全のために必須の条件となっています。
関西労災病院麻酔科には19名の麻酔科医が在籍しており、そのうち8名が日本麻酔科学会認定専門医または指導医となっています。そのため時間のかかる大手術や複数の緊急手術にも柔軟に対応することができます。
麻酔科医は手術中に麻酔をかけるだけでなく、安全に手術が行えるようしっかりと事前のリスク評価を行って適切な麻酔管理法を計画し、場合によっては術前から介入を行います。また術後の疼痛や合併症を最小限になるよう努めます。このように麻酔科は手術の前後も含めた周術期のスペシャリストとして高齢の患者さんや重度の合併症をお持ちの患者さんにも安心して手術を受けていただけるよう支えています。

麻酔の種類

麻酔の方法は全身麻酔と区域麻酔の二つに大別されます。
全身麻酔は液体またはガスの麻酔薬を用いて完全に意識を失わせます。同時に呼吸を停止させてしまうため、気管チューブなどを用いた適切な気道確保と人工呼吸を行う必要があります。また意識は消失していても疼痛感覚や反射は残りますので、オピオイド系鎮痛薬や筋弛緩薬といった専門知識を要する薬剤を併用しなくてはいけません。
区域麻酔には脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔、末梢神経ブロックなどが含まれます。自身の呼吸を保ったまま知覚・運動を部分的に遮断して痛みのない手術を可能にします。 区域麻酔だけでは意識が残りますが、安全に鎮静薬を用いることのできる患者さんでは手術中眠っていただくことも可能です。また術後の鎮痛のために全身麻酔に区域麻酔を併用することもあります。
麻酔科医は手術の内容や患者さん個々の条件を考慮して、これらの麻酔法の中から最適なものを選択し、可能な限り安全で快適に手術を受けていただけるようにいたします。

手術後の痛みと戦う

手術の後の最大の恐怖は痛みです。私達は、神経ブロック、点滴から入れる鎮痛薬、あるいは硬膜外麻酔などを用いて、苦痛が最小限になるように心がけています。
関西労災病院麻酔科は今世紀に入って急速に広まった超音波ガイド下神経ブロックのパイオニアです。神経ブロックとは神経のまわりに局所麻酔薬をしみこませて、神経をしびれさせて痛みをとる方法です。従来の神経ブロックでは、医師の経験と勘に頼って神経があると思われる部位に局所麻酔薬をしみこませていました。超音波エコーを用いる新たな方法では画面上に超音波を使って神経を映し出し、ブロック針で神経を確認して神経ブロックを行うため確実な効果が得られます。神経ブロックには一度だけ薬を注入する単回法とカテーテルを留置して長時間継続して鎮痛をはかる持続法があります。

麻酔の危険性について

麻酔は直接的な治療行為でないため、安全性について最大限の注意が求められます。一方で、麻酔に用いられる薬剤には呼吸を停止させる、臓器血流を低下させるなどの有害な作用があるのも事実です。また、意識が無い状態で発生した合併症は発見が遅れがちです。一般に重篤な併存疾患がある方やご高齢の患者さんほどリスクが高いと言われており、ASA(アメリカ麻酔科学会)が策定した危険度分類でリスクのカテゴリー分けをしています(下表参照)。
適切なリスク評価のため、問診票にはできる限り正確にお答えください。また、服薬指示や禁煙の順守などのご協力をお願いします。人的エラーも含めてリスクは完全にゼロにはなりませんが、少しでも安全性を高められるよう心掛けております。

関連業務・教育・研究

手術時の麻酔以外で麻酔科医が関わる業務としては、ペインクリニック、集中治療、救命救急、緩和医療が挙げられます。当院では集中治療・救命救急部門は麻酔科とは別部門で独立しており直接関与していませんが、緊密に連携しています。ペインクリニックと緩和医療につきましては当院の急性期医療機関としての特性上、院内紹介のみとして対応させていただいております。
当院では日本専門医機構認定の麻酔科専門医研修プログラムを運営しております。 また初期研修医の麻酔科研修も行っていますが、上級医の監督下に麻酔業務に従事しています。もし初期研修医、後期研修医の対応に不安な点がございましたら、指導医に相談して欲しい旨、ご遠慮なくお伝えください。
患者さんに医学的な根拠に基づいた良質な医療を提供するうえで、臨床研究は欠かせないものです。当科で行う臨床研究は、診療上得られるデータを解析するような観察研究が主ですので、患者さんの治療経過に直接的な影響はありません。介入を伴う研究を行う場合には、院内の倫理委員会の承認を得たうえで事前に説明を行い、同意が得られた患者さんのみを対象とさせていただきます。いずれも厚生労働省の定める倫理指針に沿った形で行い、学会発表や論文投稿を行う場合にはプライバシーの保護に最大の配慮を行います。

 

麻酔科学術業績 (PDFファイル)

●関西労災病院麻酔科専門研修プログラムについては、
「臨床研修医サイト」専攻医研修プログラム内容ページをご覧ください。

 

スタッフ

上山 博史(うえやま ひろし)

部長

役職 副院長・部長
専門分野 産科麻酔
脳波
輸液
資格等 日本麻酔科学会 専門医・指導医
日本麻酔科学会 理事・代議員
日本産科麻酔学会・日本麻酔科学会 広報副委員長

興津 賢太(おきつ けんた)

第二部長:興津 賢太

役職 第二部長
専門分野 麻酔全般
資格等 日本麻酔科学会 専門医・指導医
日本医師会 認定産業医
日本旅行医学会 認定医
医学博士(平成30年 大阪大学)

医員   田村 岳士(たむら たけし) 卒業年度:平成18年(緩和ケア研修会 修了)

      清中 さわみ(きよなか さわみ) 卒業年度:平成19年

      阪下 直美(さかした なおみ) 卒業年度:平成22年

      松本 怜子(まつもと れいこ) 卒業年度:平成22年

      中野 一菜(なかの かずな) 卒業年度:平成23年

      奥野 亜依(おくの あい) 卒業年度:平成23年

      菊地 浩輔(きくち こうすけ) 卒業年度:平成23年

      山内 千奈(やまうち かずな) 卒業年度:平成24年

      石丸 紗也佳(いしまる さやか) 卒業年度:平成25年

      稲垣 佳苗(いながき かなえ) 卒業年度:平成25年

      河野 悠(こうの ゆう) 卒業年度:平成25年(緩和ケア研修会 修了)

      中村 藍(なかむら あい) 卒業年度:平成25年

      加藤 裕実子(かとう ゆみこ) 卒業年度:平成27年

      不二樹 有花(ふじき ゆうか) 卒業年度:平成27年

レジデント 魚谷 美貴(うおたに みき) 卒業年度:平成28年

      安倍 瑞穂(あべ みずほ) 卒業年度:平成29年

      實井 一史(さねい かずとし) 卒業年度:平成29年

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