呼吸器外科

高まる地域ニーズに応える呼吸器外科

 呼吸器疾患は喫煙、大気汚染のほか、アスベストや粉塵の曝露など職業との関わりが強いと言われています。呼吸器外科ではとくに阪神南医療圏で働く方々の原発性肺がん、悪性中皮腫、縦隔腫瘍といった胸部悪性腫瘍を中心に診療しており、気管支鏡や胸腔鏡生検による診断、手術治療から分子標的治療を含む抗がん化学療法、免疫療法まで同じ担当医が一貫した診療を行っています。

また放射線治療医、病理診断医など、肺がん診療を専門とする各分野の医師を交えた定期的な検討会を主催し、内外のガイドラインだけでなく常に各分野の最新の知見と連携に基づき、患者ひとりひとりの病態に応じて個別化された最善の診療を提供しています。

肺がんの手術はほぼ全例に胸腔鏡を使用し、傷が小さく手術時間も短い低侵襲手術をこころがけており、低肺機能や高齢者など、従来では手術の難しかった患者さんであっても手術が可能になったばかりではなく、入院期間の短縮や早期の社会復帰を可能にしています。

またアスベスト曝露により発症すると言われている治療の難しい悪性胸膜中皮腫に対する診断、化学療法や胸膜外肺全摘術、胸膜切除/肺剥皮術など難易度の高い外科治療にも、尼崎地域における「労災病院」の使命として積極的に取り組んでいます。当科での手術症例のうち、最長の無再発生存例は48ヶ月です。

A:当科で手術を受けた患者の肺に見られた石綿小体
B:悪性中皮腫患者のPET画像(右胸膜全体に肥厚が見られる)
C:胸膜切除/肺剥皮術(臓側および壁側の全胸膜切除)の術中写真

診療実績

全身麻酔による呼吸器外科手術症例数の年次推移

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当科で実際に胸腔鏡を用いて行われる傷の小さな手術の例

B~Dは当科より発表された学術論文に付随する写真で、Annals of Throacic and Cardiovascular Surgery誌より許諾を得て掲載しています。

A: 原発性肺がんに対する左肺上葉切除術
B: 胸腺腫のCT画像
C: 摘出された胸腺腫
D: Video-assisted Stepwise Access Sternotomy(VASAS)による皮膚切開
E: 傷の長さは通常の1/4~1/5程度であるため、乳房にかくれてほとんどわかりません

当科における抗がん化学療法について

2012年7月からは抗がん化学療法を開始し、現在までのべ170例を超える患者さんに治療を行っています。またニボルマブによる免疫療法は2017年2月までに18名の患者さんに行っています。

臨床研究のテーマ

定型術式での低侵襲手術の確立、高度進行がんに対する集学的治療の一環としての拡大手術などをテーマにしています。安全で効果的な化学療法に関する工夫も研究テーマとしています。

地域への貢献、地域医療連携

当科では、2009年4月より呼吸器外科専門医による診療が開始されています。2011年11月より日本呼吸器内視鏡学会による関連施設認定を受け、また2012年4月からは呼吸器外科専門医認定機構により基幹施設の認定を受けました。堺市・大阪市南部から阪神圏域にいたる他病院への手術応援、手術指導を随時行っています。また各種地域研究会での講演や発表、理事なども行っています。

当科の現状

当院では2012年4月以降、呼吸器内科常勤医師が撤退したため呼吸器疾患全体での診療内容の縮小や手術症例数の減少を見ましたが、2013年以後、開院以来最高の手術症例数を更新しています。関係各部門の方々、地域で連携して頂いている開業医の皆様、ならびに患者さんとご家族のご協力とご支援に感謝します。ただ人員などの問題で、初診時に手術不能と考えられる患者さんには近隣の呼吸器内科専門施設をご紹介させて頂くことがありますので、ご理解頂きますようよろしくお願いいたします。

ご紹介・救急対応

ご紹介は地域医療室を通じてお願いします。非手術症例でもできるだけ対応させて頂きます。救急症例に関してもできるだけ受け入れますのでまずは地域医療室までご連絡ください。

 

呼吸器外科学術業績 (PDFファイル)

スタッフ

岩田 隆(いわた たかし)

部長:岩田 隆

役職 部長
資格等 呼吸器外科専門医
日本外科学会 指導医・専門医
日本胸部外科学会 指導医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡指導医・専門医
肺がんCT検診認定医師
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本呼吸器外科学会 評議員
関西胸部外科学会 評議員
近畿外科学会 評議員
日本集中治療医学会 FCCSプロバイダー
緩和ケア研修会 修了

山本 亜弥(やまもと あや)

役職 医員
資格等 日本外科学会専門医
緩和ケア研修会 修了

» 呼吸器外科 外来担当表

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