年間約700件の手術実績に基づく、徹底的な低侵襲治療への取り組み
特色・方針
当科は1957年より約70年間の歴史を有し、日本脳神経外科学会、さらに日本脳神経血管内治療学会、日本脳卒中学会の訓練施設としての役割を担っています。また大阪大学医学部の脳神経外科臨床実習病院に指定されており、標準的で高度、安全確実な治療を優先しています。
当科には、脳卒中、脳血管内治療、脳腫瘍、ガンマナイフ、脊椎脊髄疾患など、全脳神経外科領域のスペシャリストが常勤しています。
- 脳神経外科専門医6名(指導医4名)
- 脳血管内治療専門医5名(指導医2名)
- 脳卒中の外科学会技術認定医2名(指導医1名)
- 脊髄外科学会認定医2名(指導医1名)
- ガンマナイフ学会認定医3名
- 24時間365日、脳血管内治療と開頭手術の2チームが同時並行可能。
現在10名の脳神経外科スタッフにより、大阪大学脳神経外科の関連施設として、年間約700件の手術を行っています。
The Best Doctors in Japan 2022-2027
1. 脳血管障害
「元祖・脳血管外科二刀流®」施設
安全性・効率性の高い脳卒中診療
脳血管外科二刀流とは、「直達手術とカテーテル治療の二つの武器をうまく活かすことで治療成績を上げる」という戦略です。当施設は、2000年代初頭から全国に先駆けて「脳血管外科二刀流®」(商標登録済み)を提唱し、その安全性と効率性を書籍・論文発表しております。
「二刀流術者のための脳血管障害手術テキスト 直達手術・血管内治療のスタンダードを習得」

図1 脳血管外科二刀流®
稼働中の脳卒中センターは、スタッフ総勢16名(脳神経血管内治療学会専門医5名(指導医2名)、脳卒中の外科学会技術認定医2名(指導医1名)、脳卒中学会専門医6名(指導医3名))を擁し、1秒でも早く急性期脳卒中に対応することが可能です。
脳動脈瘤に対するカテーテル治療
最新の脳血管内治療が可能
脳動脈瘤に対するカテーテル治療は、細いカテーテルを用いて、血管の内部から脳動脈瘤を治す新しい治療法です。今までの開頭外科手術では治療が難しかった動脈瘤が、この「切らずに治す」新しい治療法によって治療できるようになってきました。
さて、脳動脈瘤に対してカテーテル治療がうまくできるかどうかを決める一つの因子は、動脈瘤の形や大きさ、とくに頚部の広さです。頚部の狭い動脈瘤に対しては、カテーテルを用いたコイル塞栓術が比較的容易に行えるのに対して、頚部の広い動脈瘤には、コイルが動脈瘤からはみ出してしまって留置が困難であるため、かつてはコイル塞栓術には不向きであるとされていました。しかしながら、コイル塞栓用ステントというメッシュ状の金属の筒を用いて、そのメッシュ越しにコイル塞栓術を行うステントアシストテクニック:(図2)により、頚部の広い動脈瘤の治療も可能となりました。


図2 ステントアシストテクニック
また、当施設では、フローダイバーターやWEBによる脳動脈瘤治療を積極的に行っています(図3, 4)。この治療は、フローダイバーターやWEBを留置するだけで脳動脈瘤を閉塞することができるという画期的なものです。

図3 フローダイバーターによる脳動脈瘤治療

図4 WEBによる脳動脈瘤治療
さらに、透視パルスレートを下げることで、治療時の被曝線量を大幅に減少する手法を確立し(図5)、安全性を担保しながら患者さんへの負担の少ない脳血管内治療を実現しています。

図5 治療時の被曝線量を大幅低減
当院は、我が国で使用可能な全ての脳動脈瘤に対するカテーテル治療デバイスの使用認可を受けており、これらを駆使した脳動脈瘤治療への取り組みを行っています。
脳動脈瘤カテーテル治療についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ脳神経外科外来にご相談ください。
未破裂脳動脈瘤に対するキーホール完全無剃毛手術30年間の実績
「開頭手術を受けたことに気付かれない」ように美容に配慮
当科では、全ての開頭手術を完全無剃毛で行い、キーホール手術を積極的に取り入れ、術後「開頭手術を受けたことに気付かれない」ように美容にも配慮し、ダウンタイムの短縮・早期職場復帰を図っています。


図6 完全無剃毛キーホール(鍵穴)手術によるクリッピング術
径3cmの鍵穴手術。美容面に配慮して、髪の毛は全く剃りません。
脳梗塞を予防する外科的治療
当院では、内頚動脈狭窄症や脳血管の狭窄・閉塞に対して、頚動脈内膜剥離術(CEA)、頚動脈ステント留置術(CAS)、STA–MCA吻合術などの外科的治療を行っています。豊富な経験に基づいた治療成績が私たちの強みです。
「二刀流」の治療戦略
血管内治療(カテーテル治療)と直達手術(開頭手術)の両方を高いレベルで行っていますので、「体への負担が少ない治療が良いのか」「確実性を重視した手術が適しているのか」を一人ひとりの病状に合わせて判断し、最適な治療法を提案します。
頚動脈ステント留置術(CAS)
頚動脈ステント留置術(CAS)は、血管の中からカテーテルを用いて治療する手術です。プラークにより狭くなった頚動脈を内側から広げ、金属製のステントを留置する治療法です。首を切らずに行えるため、体への負担が比較的少ないことが特徴です。CASの方法も進化してきており、患者さん一人ひとりの病態に応じたテーラードCASを行っています。

図7 頚動脈ステント留置術(CAS)
頚動脈内膜剥離術(CEA)
頚動脈内膜剥離術(CEA)は、首の血管(頚動脈)にたまったプラークを直接取り除く手術です。血管の内側を直接きれいにすることで、脳梗塞を予防します。当院では豊富な手術経験をもとに、手技や器具の工夫を重ね、安全性と確実性を重視したCEAを行っています。

図8 頚動脈内膜剥離術(CEA)
浅側頭動脈・中大脳動脈吻合術(STA–MCA吻合術)
STA–MCA吻合術は、頭皮の血管(浅側頭動脈)と脳の血管(中大脳動脈)をつなぐことで、脳の血流を直接補う開頭手術です。脳血管の高度な狭窄や閉塞により血流が不足しているために脳梗塞を起こす危険性がありますが、これを予防する手術です。当院では無剃毛での開頭手術を行い、見た目や術後の社会生活にも配慮しながら、確実で安全な血行再建を目指しています。

図9 浅側頭動脈・中大脳動脈吻合術(STA–MCA吻合術)
外視鏡手術
当科では2018年に先駆的に外視鏡を導入し、その安全性・臨床成績について報告してきました。また、2025年には、第5回外視鏡手術研究会(大阪大学中之島センター2025年8月23日)を主催いたしました。外視鏡を用いることで、患者さんにさらに優しい低侵襲手術を行うことが可能になってきています。

図10 外視鏡システム

図11 外視鏡の活用法
内視鏡手術
当科では、1990年代より神経内視鏡を導入し、日本神経内視鏡学会技術認定医による低侵襲な内視鏡手術を行っています。
脳内血腫に対しては、内視鏡的血腫除去術を第一選択とし、水頭症に対しては、累積1000例以上のLPシャント術に加えて、内視鏡による第三脳室底開窓術を行っています。
急性期脳梗塞に対する経皮的血栓回収術
2026年現在の脳卒中ガイドラインにおいて、発症4.5時間以内の遺伝子組み換え組織型プラスミノゲン・アクティベータ(rt-PA)の静脈内投与および発症6時間以内の経皮的血栓回収術が強く勧められています。さらに発症(あるいは最終健常時間)から6時間以降であっても、一定の条件を満たしていれば経皮的血栓回収術の適応になるなど、同分野のエビデンスは年々更新されており、経皮的血栓回収術の適応範囲は拡大傾向です。
1分を争う脳卒中診療において、脳卒中センターを擁する当院では24時間365日の対応が可能です。救急隊向け脳卒中ホットラインを導入している他、従来のCT・MRIに加えて脳画像解析プログラム(RAPIDソフトウェア、図12)を使用し、来院から診断・治療までの時間短縮を図っています。近年の高齢化社会に伴い、対象患者さんも超高齢者が多くなってきましたが、最新の血管内治療デバイス(血栓回収用ステントや血栓吸引用カテーテルなど)を駆使して良好な成績を得ることができています(図13)。

図12:RAPIDソフトウェア
脳梗塞に陥った領域(ピンク)と脳梗塞に陥りつつある(ペナンブラ)領域(緑)を比較し、経皮的血栓回収術により救済可能な領域の有無・範囲を確認する

図13:経皮的血栓回収術の術前後画像
閉塞した頭蓋内主幹動脈(A)に存在する血栓をカテーテルやステントを用いて回収し、再開通させた(B)
当院は、我が国で使用可能な全ての血栓回収療法に対するカテーテル治療デバイスの使用認可を受けており、これらのデバイスを駆使した取り組みを行っています。

図14 血栓回収用ステント

図15 血栓吸引用カテーテル
脳動静脈奇形(AVM)・硬膜動静脈瘻
ガンマナイフ、カテーテル治療(ONYXなど)、外科的摘出術の「三刀流」で治療を行い、早期社会復帰を目指しています。
2. 脳腫瘍
覚醒下手術から術中光線力学療法まで
〜さまざまな脳腫瘍手術に対応〜
当院脳神経外科では、良性腫瘍から悪性腫瘍まで、また原発性脳腫瘍から転移性脳腫瘍まで、さまざまな脳腫瘍に対して安全性と根治性を最大限に両立させる治療を目指しています。 地域の中核病院として最新の手術支援技術と多職種連携による集学的治療を組み合わせ、患者さん一人ひとりに最適な治療戦略を提供しています。
本ページでは、一般的な脳腫瘍治療の考え方に加え、当院における脳腫瘍治療の特徴と強みをご紹介します。
脳腫瘍治療の基本方針
脳腫瘍の治療は、
- 腫瘍の種類(原発性・転移性、良性・悪性)
- 発生部位(運動野・言語野・深部構造など)
- 年齢、全身状態、生活背景
を総合的に評価して決定されます。
多くの場合、手術による摘出を中心に、放射線治療や薬物療法(化学療法・分子標的治療など)を組み合わせた集学的治療が行われます。当院では治療の各段階において、患者さんと十分に情報を共有し、納得のいく治療選択を大切にしています。
以下に脳腫瘍に対する当院の取り組みの一端をご紹介させていただきます。
ナビゲーションシステム
手術用ナビゲーションシステムは、術前MRIやCT画像をもとに、手術中の脳内位置をリアルタイムに把握するための装置です。
- 腫瘍の正確な位置把握
- 正常脳組織への侵襲を最小限に
- 深部病変や境界不明瞭な腫瘍にも対応
当院では全ての脳腫瘍手術においてナビゲーションを積極的に活用し、精密な手術を実践しています。
術中生理機能モニタリング(SEP・MEP・ABRなど)
脳腫瘍手術では、腫瘍の摘出と同時に神経機能をいかに温存するかが極めて重要です。当院では、手術中に神経機能をリアルタイムで評価する術中生理機能モニタリングを積極的に導入しています。
SEP(体性感覚誘発電位)
四肢からの感覚刺激に対する脳の反応を記録し、感覚路の安全性を評価します。
MEP(運動誘発電位)
大脳皮質や脊髄を刺激し、筋肉の反応を確認することで、運動路の機能を評価します。
運動麻痺のリスクを低減するために不可欠なモニタリングです。
ABR(聴性脳幹反応)
聴神経から脳幹に至る聴覚伝導路の機能を評価します。
聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)や脳幹近傍腫瘍、後頭蓋窩手術において、聴力温存や脳幹機能保護の指標として重要な役割を果たします。
他にも様々なモニタリングが存在し、これらのモニタリングを組み合わせることで、手術中に神経機能の変化を即座に把握し、操作を調整することが可能となります。
当院では、神経機能を守りながら最大限の腫瘍摘出を目指す手術を実践しています。
覚醒下手術
言語野や高次脳機能に近接する腫瘍では、覚醒下手術を行います。
手術中に患者さんと会話をしながら、
- 言葉が出るか
- 手足が動くか
- 認知機能に影響がないか
を直接確認し、神経機能を守りながら最大限の腫瘍摘出を目指します。
患者さんの負担は大きいものの、神経機能を守るという観点では安全性の高い手術法になります。患者さんに安心して覚醒下手術を受けていただくためには、麻酔科・看護師・言語聴覚士との密接なチーム医療が不可欠であり、これこそが当院の強みの1つです。
トラクトグラフィー
トラクトグラフィーはMRIを用いて、運動路や言語関連線維などの神経線維束を可視化する技術です。
- 重要な神経線維の走行を事前に把握
- 手術ルートの最適化
- 機能温存と摘出率向上の両立
上述のナビゲーションと組み合わせることで、より高度な機能温存手術を実現しています。
術中光線力学診断(PDD)
術中光線力学診断(PDD)は、腫瘍に集積する薬剤を用い、腫瘍組織を光らせて可視化する技術です。
- 肉眼では分かりにくい腫瘍残存部の検出
- 摘出範囲の判断をサポート
特に悪性脳腫瘍において、摘出率向上に大きく貢献しています。
術中光線力学療法(PDT)
術中光線力学療法(PDT:Photodynamic Therapy)は、腫瘍に選択的に集積する光感受性物質を投与し、特定の波長の光を照射することで、腫瘍細胞を選択的に障害する治療法です。
脳腫瘍手術においては、
- 神経機能温存のため摘出を控えざるを得ない部位
- 肉眼的全摘が困難な腫瘍浸潤境界部
に対して、手術に引き続いて行える局所補助治療として位置づけられています。PDTでは、光照射により腫瘍細胞内で活性酸素が発生し、腫瘍細胞に障害を与えます。正常脳組織への影響を最小限に抑えながら、残存腫瘍に対する追加治療効果が期待できる点が大きな特徴です。
当院では、
- 腫瘍の部位や病理学的特性
- 手術中の摘出状況
- 神経機能温存の必要性
を総合的に判断し、PDTの適応を決定しています。特に悪性脳腫瘍においては、局所制御率の向上と再発リスク低減を目的として、手術戦略の一環としてPDTを組み込んでいます。手術による「摘出」とPDTによる「治療」を同一手術内で連続して行うことで、最大限の腫瘍制御と機能温存の両立を目指す――それが当院の脳腫瘍治療におけるPDTの位置づけです。
術後補助療法(放射線治療・薬物療法・がんパネル検査・電場療法)
脳腫瘍治療では、手術による摘出後も、腫瘍の種類や悪性度、分子生物学的特徴に応じた術後補助療法が重要です。当院では、病理診断結果を基盤に、多職種で治療方針を検討し、患者さん一人ひとりに最適化した集学的治療を行っています。
放射線治療
悪性脳腫瘍や転移性脳腫瘍を中心に、局所制御を目的として放射線治療を行います。腫瘍の部位や広がり、年齢や全身状態を考慮し、症例に応じた照射法を選択します。特に当院では積極的にガンマナイフ治療を取り入れていることが特徴になります。
薬物療法(化学療法・分子標的治療)
病理組織型や遺伝子異常の有無に基づき、抗がん剤や分子標的治療薬を用います。治療効果と副作用のバランスを重視し、長期的な治療継続を見据えた治療計画を立案します。
がんパネル検査
がんパネル検査は、腫瘍組織の遺伝子変異を網羅的に解析し、治療選択の可能性を広げる検査です。
標準治療後や再発時を含め、適応があると判断される場合には検討を行い、分子標的治療や治験・臨床試験につながる可能性も視野に入れた診療を行っています。
電場療法(TTFields)
電場療法は、低強度の交流電場を用いて腫瘍細胞の分裂を抑制する治療法です。主に悪性脳腫瘍において、放射線治療や薬物療法と併用する補助的治療選択肢の一つとして、患者さんの状態や生活背景を考慮して適応を判断します。
当院では、脳神経外科を中心に、放射線治療科、腫瘍内科、血液内科、病理診断科などが密接に連携し、手術から術後補助療法、再発時治療まで一貫した脳腫瘍診療を提供しています。
地域医療機関の先生方へ
当院では、
- 診断目的のご紹介
- セカンドオピニオン
- 術後補助療法のみのご依頼
なども積極的にお受けしています。迅速な情報共有と丁寧なフィードバックを心がけ、地域完結型の脳腫瘍診療に貢献してまいります。
患者さん・ご家族の皆さまへ
脳腫瘍と診断されたとき、不安や疑問は尽きないと思います。当院では、病状や治療内容をできるだけ分かりやすく説明し、一緒に治療方針を考える医療を大切にしています。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
3. ガンマナイフ治療
ガンマナイフ治療とは
ガンマナイフ治療とは放射線治療の1つで、手術によらず脳腫瘍や脳動静脈奇形、三叉神経痛などを治療する方法です。ガンマナイフ装置は、病変に対して「ナイフで切り取る」手術のように放射線を照射できる定位放射線治療装置です。重要な組織や神経をできる限り守りながら、病変はしっかり治療します。手術が難しい場所に病変がある、手術に不安がある場合などに選択肢となります。

図16 ガンマナイフ Elekta(エレクタ) Leksell Gamma Knife Perfexion
対象となる疾患
当院では2004年12月からガンマナイフ治療を開始し、特に転移性脳腫瘍(脳転移)の患者さんを多く治療しています。当院はがん診療連携拠点病院であり、他の診療科と連携しながら、患者さんの体の負担と生活の質にも配慮して診療しています。脳の治療を負担が少なく短期間に行うことで体力を維持しつつ、体のがんの治療に臨んでいただくことを目指します。

図17 2024年ガンマナイフ治療対象疾患の内訳(単位:人)
次いで、髄膜腫、聴神経腫瘍、下垂体腺腫(PitNET)など、良性腫瘍を含む疾患が最近増えています。手術で完治することも多いですが、手術とガンマナイフ治療それぞれの良い点・不利な点の両面から適した治療法を提案いたします。場合により、両方を組み合わせたり経過観察をお勧めしたりすることもあります。
悪性神経膠腫や中枢神経系原発悪性リンパ腫では初期治療で全脳照射を行うことが多く、まだ使用できる抗悪性腫瘍薬が限られているため、一部の再発であっても治療に苦慮することが少なくありません。ガンマナイフではそういった局所再発病変に対して、生活の質の維持の一助となる追加の放射線治療となりえます。
脳動静脈奇形は開頭手術、血管内治療、ガンマナイフ治療の3刀流で治療を行っております。詳しくは、脳血管センターのページもご覧ください。
https://www.kansaih.johas.go.jp/kakuka/shinryo_list/kakuka09.html
治療の流れ
まず、かかりつけ医から当院にお問い合わせいただき、外来受診の予約を取っていただきます。診察時にガンマナイフ治療の適応を判断いたします。適応となりましたら、疾患や病状にもよりますが、最短1泊2日の入院で日程を決定します。
| 外来 | 画像撮影、入院前検査など |
| 1日目午後 | 入院、オリエンテーション |
| 2日目 | フレーム装着、画像撮影 治療、退院 |
鎮静下ガンマナイフ
高精度の治療となるため、頭部にフレームをピンでしっかり装着し、装置に固定する必要があります。フレーム装着・画像撮影時には鎮静・鎮痛剤を使用して、眠った状態で過ごしていただけるよう工夫しております。閉所恐怖症や安静が難しい方もご相談ください。
治療後は、定期的な経過観察を当院またはかかりつけ医で続けていただきます。
より低侵襲に
2021年9月、ガンマナイフ治療計画支援ソフトウェアのLightning(ライトニング)が導入されました。コンピューターが病変の形に合わせて放射線の照射方法を自動で調整し、複雑な形の病変や数の多い病変でも、短時間で精度の高い治療計画ができるようになりました。従来よりも治療にかかる時間が短縮されています。
また、ライトニングでは放射線から守りたい組織や神経を設定でき、強い放射線が照射され過ぎないよう配慮した治療計画が立てやすくなりました。その結果、放射線による副作用や将来的な体への負担も少なくできると期待されています。
4. 脊椎・脊髄疾患
脊髄外科認定医・指導医が患者さんの状態に合わせて、薬物治療、各種ブロック注射、内視鏡を用いた低侵襲手術から各種除圧・固定術を含む様々な手術加療の中から、最も適切と思われる方法を提案いたします。また、多方面より数多くご紹介を頂いている脊髄腫瘍やキアリ奇形についても、脊椎支持要素を可能な限り温存した低侵襲手術を心がけています。
この度、神経症状により焦点をおいた専門外来「しびれ・痛み外来」を開設いたしました。この専門外来について詳しく知りたい方は、一度脳神経外科外来にご相談ください。
三叉神経痛・難治性頭痛(片頭痛を含む)
頭痛学会専門医・指導医が、最新の薬物療法、ガンマナイフ治療、手術(Keyhole手術による微小血管神経減圧術)を含め、最も低侵襲な解決法を提案いたします。 片頭痛に関しては、脳神経内科のご協力の元、2021年より頭痛外来を開設し、最新の予防治療・急性期鎮痛治療を提供するとともに、先進的治療を全国的に啓蒙しています。
脳動脈瘤コイル塞栓用ステントについてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ脳神経外科外来にご相談ください。
5. 臨床研究のテーマ
脳血管障害
- 外視鏡を使用した新規術式開発
- 外視鏡と血管内治療を併用したハイブリッド手術
- 慢性硬膜下血腫に対する塞栓術
- 硬膜動静脈瘻に対する静脈洞再建術
脳腫瘍
- 外科的治療と放射線治療の併用治療
- 最新の悪性脳腫瘍に対する遺伝子分類に基づく集学的治療
- 良性脳腫瘍に対する早期社会復帰を目指した低侵襲治療
6. 当科の姿勢・医師教育
阪神医療圏において、24時間365日、急性期治療を提供できる潤沢なスタッフ数を擁する脳神経外科施設であり、各医療機関と連携しながら地域医療に貢献してまいります。
在籍レジデントには1本以上の筆頭著者英文論文を書いていただくポリシーを貫いており、2017年〜2026年までのレジデント筆頭著者の英文論文は合計21本に達しました。中堅医師に対しても「脳血管外科二刀流®」術者教育を徹底し、将来の施設リーダーを担える胆力のある指導医を育成しています。
7. 診療実績
脳神経外科診療実績 2025年1月~12月
| 年間の入院症例数 | 1,071例 |
|---|---|
| 年間の手術件数 (手術室内全科手術件数 ) |
684件 (8,373件) |
| 救急車搬送数 | 542台/年 |
| 全科救急車搬送数 | 5,970台/年 |
脳神経外科活動状況報告 2025年1月~12月
| 手術分類 | 件数 | (内訳) | (症例数) |
|---|---|---|---|
| 1.脳腫瘍 | 50 | 摘出術 | 33 |
| 生検術(開頭術) | 5 | ||
| 生検術(定位手術) | 2 | ||
| 経蝶形骨洞手術 | 5 | ||
| 広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術 | 0 | ||
| その他 | 3 | ||
| 2.脳血管障害 | 118 | 破裂動脈瘤 | 10 |
| 未破裂動脈瘤 | 13 | ||
| 脳動静脈奇形 | 0 | ||
| 頸動脈内膜剥離術 | 11 | ||
| バイパス手術 | 15 | ||
| 高血圧性脳内出血(開頭血種除去術) | 26 | ||
| 高血圧性脳内出血(定位手術) | 0 | ||
| その他 | 15 | ||
| 3.外傷 | 68 | 急性硬膜外血腫 | 2 |
| 急性硬膜下血腫 | 18 | ||
| 減圧開頭術 | 0 | ||
| 慢性硬膜下血腫 | 48 | ||
| その他 | 2 | ||
| 4.奇形 | 0 | 頭蓋・脳 | 2 |
| 脊髄・脊椎 | 0 | ||
| その他 | 1 | ||
| 5.水頭症 | 77 | 脳室シャント術 | 44 |
| 内視鏡手術 | 2 | ||
| その他 | 21 | ||
| 6.脊椎・脊髄 | 16 | 腫瘍 | 6 |
| 動静脈奇形 | 0 | ||
| 変形疾患(変形性脊椎症) | 14 | ||
| 変形疾患(椎間板ヘルニア) | 8 | ||
| 変形疾患(後縦靱帯骨化症) | 0 | ||
| 脊髄空洞症 | 0 | ||
| その他 | 7 | ||
| 7.機能的手術 | 8 | てんかん | 0 |
| 不随意運動・頑痛症(刺激術) | 5 | ||
| 不随意運動・頑痛症(破壊術) | 0 | ||
| 脳神経減圧術 | 6 | ||
| その他 | 1 | ||
| 8.血管内手術 | 166 | 動脈瘤塞栓術(破裂動脈瘤) | 18 |
| 動脈瘤塞栓術(未破裂動脈瘤) | 32 | ||
| 動静脈奇形(脳) | 0 | ||
| 動静脈奇形(脊髄) | 0 | ||
| 閉塞性脳血管障害の総数 | 88 | ||
| (上記のうちステント使用例) | (43) | ||
| その他 | 24 | ||
| 9.脳定位的放射線治療 | 172 | 腫瘍 | 175 |
| 脳動静脈奇形 | 3 | ||
| 機能的疾患 | 3 | ||
| その他 | 0 | ||
| 10.その他 | 11 | 上記の分類すべてに当てはまらない | 16 |
● 脳神経外科学術業績
(PDFファイル)
8. 脳神経外科スタッフ

豊田 真吾(とよた しんご)

| 役職 | 院長補佐 部長 |
|---|---|
| 専門分野 | 脳血管障害、脳腫瘍外科 |
| 資格等 | 大阪大学医学部脳神経外科臨床教授 日本脳神経外科学会脳神経外科専門医・指導医・代議員 日本脳神経血管内治療学会専門医・指導医・代議員 日本脳卒中学会脳卒中専門医・指導医・代議員 日本頭痛学会頭痛専門医・指導医 日本神経内視鏡学会神経内視鏡技術認定医 日本脳卒中の外科学会技術認定医・指導医 日本脊椎脊髄病学会/日本脊髄外科学会脊椎脊髄外科専門医 日本脊髄外科学会認定医 日本脳循環代謝学会評議員 医学博士(平成17年 大阪大学) 緩和ケア研修会修了 |
小林 真紀(こばやし まき)

| 役職 | 副部長 |
|---|---|
| 専門分野 | ガンマナイフ、脳神経外科 |
| 資格等 | 日本専門医機構認定脳神経外科専門医 日本脳神経外科学会脳神経外科指導医 原発性悪性脳腫瘍患者に対する光線力学的療法(PDT)講習会修了 緩和ケア研修会修了 |
髙野 浩司(たかの こうじ)

| 役職 | 副部長 |
|---|---|
| 専門分野 | 脳腫瘍・脳血管内治療・脳卒中 |
| 資格等 | 日本専門医機構認定脳神経外科専門医 日本脳卒中学会脳卒中専門医 日本脳神経血管内治療学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 医学博士(平成28年 大阪大学) 緩和ケア研修会修了 |
村上 知義(むらかみ ともあき)

| 役職 | 副部長 |
|---|---|
| 専門分野 | 脳卒中の外科、脳血管内治療 |
| 資格等 | 日本専門医機構認定脳神経外科専門医 日本脳神経外科学会脳神経外科指導医 日本脳卒中学会脳卒中専門医・指導医 日本脳神経血管内治療学会専門医・指導医 日本脳卒中の外科学会技術認定医 日本神経内視鏡学会神経内視鏡技術認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 医学博士(平成30年 大阪大学) 緩和ケア研修会修了 |
福永 貴典(ふくなが たかのり)

| 役職 | 副部長 |
|---|---|
| 専門分野 | 脊椎脊髄外科・脳血管内治療・脳神経外科 |
| 資格等 | 日本専門医機構認定脳神経外科専門医 日本脳神経外科学会脳神経外科指導医 日本脊髄外科学会技術認定医・指導医・代議員 日本専門医機構認定脊椎脊髄外科専門医 日本脳神経血管内治療学会専門医 日本脳卒中学会脳卒中専門医 日本神経内視鏡学会神経内視鏡技術認定医 ECFMG certificate(アメリカ医師免許) 医学博士(平成31年 大阪大学) 緩和ケア研修会修了 |
山田 修平(やまだ しゅうへい)

| 役職 | 医員 |
|---|---|
| 専門分野 | 脳血管内治療、脳神経外科 |
| 資格等 | 日本専門医機構認定脳神経外科専門医 日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医 日本脳卒中学会脳卒中専門医 日本神経内視鏡学会神経内視鏡技術認定医 大阪大学医学部脳神経外科招聘教員 医学博士(令和5年 大阪大学) 緩和ケア研修会修了 |
| レジデント |
| 大森 貴文(おおもり たかふみ) |
| 西村 夏彦(にしむら なつひこ)緩和ケア研修会修了 |
| 福島 秀文(ふくしま ひでふみ)緩和ケア研修会修了 |
| 牟田 諭一郎(むた ゆいちろう)緩和ケア研修会修了 |
| 名誉院長 |
| 奥 謙(おく ゆずる) |
| 早川 徹(はやかわ とおる) |

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